SBIグループのモーニングスターは2016年3月14日、確定拠出年金加入者向けに、最適なポートフォリオや推奨銘柄を提示する独自の投資助言ツールの提供を始めると発表した。投資助言業務を手掛ける子会社のモーニングスター・アセット・マネジメントを通じて、確定拠出年金を採用している企業に売り込み、3年で100社への導入を目指す。企業は確定拠出年金に加入する社員の満足度向上に役立てられるメリットがある。

 モーニングスターが提供する投資助言ツールは、ユーザーに対して最初に10程度の質問をする。回答を基にリスク許容度などを測定し、毎月の掛け金や今までの積立金について、最適と思われる資産ポートフォリオを提示。モーニングスターがグローバルで保有するデータベース情報も参照する。提示したポートフォリオに応じて推奨銘柄の選定、紹介もする。ポートフォリオを定期的に自動でリバランスする機能は盛り込まないが、将来的には同機能の提供も見据えているという。

 モーニングスターは従来、投資信託を手掛ける金融機関向けに独自開発の投資助言ツールを販売してきた。既に数社の導入実績があり、みずほ銀行が2015年10月に始めた「SMART FOLIO」の構築も支援した。

 今回、これをカスタマイズして確定拠出年金を採用する一般企業向けに提供する。導入先企業ごとに、銘柄ラインアップなどを調整したうえで納入する見込みだ。Webやモバイルアプリ経由で利用できる。

 確定拠出年金については厚生労働省が2015年4月、加入対象者の拡大などを盛り込んだ「確定拠出年金法等の一部を改正する法律案」を国会提出している。衆議院本会議で可決されたものの会期末を迎えたために今国会に持ち越されたが、同改正法案が成立すると確定拠出年金市場の拡大が見込まれる。モーニングスターは、法改正によって生まれる確定拠出年金分野の新たな需要も取り込みたい考えだ。

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記事公開時、第3段落で「みずほ銀行が2015年10月に始めた「SMART FOLIO」でも採用されている」としていましたが、正しくは「みずほ銀行が2015年10月に始めた「SMART FOLIO」の構築も支援した」です。本文は修正済みです。 [2016/04/4 11:00]