米IDCが現地時間2016年3月11日に公表した世界のパソコン市場に関する調査によると、2016年の年間出荷台数は2億6090万台にとどまる見通し。同社は先に公表していたリポートで2015年の世界パソコン出荷台数が2億7620万台となり、年間出荷台数の前年比減少率が過去最大になったと報告していたが、2016年も引き続き市場は振るわず、出荷台数は前年比で5.4%減少するとみている。

 要因として、物価の下落、各国の通貨安、Windows 10の無償アップグレードによる買い替え周期の長期化、流通チャネルの在庫整理の動きなどを挙げている。

 タブレット端末は出荷台数が減少しており、パソコンとの競争はかつてほど激しくなくなった。そうした中、着脱式キーボードを備えるタブレット(デタッチャブル型)が出荷台数を2倍に伸ばしており、従来型パソコンの買替え需要を低下させているという。

 IDCが定義する「パソコン」とは、デスクトップパソコン、ノートパソコン、超薄型ノートパソコン、Chromebook、ワークステーションなどで、これには、デタッチャブル型タブレットは含まず、米AppleのiPadや米MicrosoftのSurface Pro、Androidタブレットなども含まない。

 IDCの世界パソコン市場調査部門バイスプレジデントのLoren Loverde氏は、「パソコンはテクノロジー分野で不可欠な機器ということに変わりがないが、その買い替え周期は延びており、今後もデタッチャブル型タブレットやファブレット(大型スマートフォン)との競争が続くだろう」と述べている。

 一方で、一部の形態のパソコンは急成長すると予測している。推計によると、2020年までにコンバーティブル型ノートパソコンの出荷台数は2倍以上に増え、超薄型ノートパソコンは70%以上、オールインワン型デスクトップパソコンは30%以上増加するという。このほか、画面サイズが14インチ未満のノートパソコンや低価格パソコンの出荷台数も伸びると予測している。

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