米Amazon.comは航空機を使った独自輸送ネットワーク構築に向けて、米Air Transport Services Group(ATSG)と提携した。両社が現地時間2016年3月9日に正式合意を発表したと、複数の米メディア(ForbesBloombergVentureBeatなど)が報じている。

 Amazon.comはATSGから20機の「Boeing 767」をリースする。これにより輸送ネットワークのコスト管理向上や商品配送の効率化を図る。リース期間は5年~7年という。

 Amazon.comは昨年の夏からATSGと協力して航空輸送のテストを実施していた。昨年12月には、ATSGをはじめとする複数の航空貨物会社とリース交渉していると伝えられた(関連記事:Amazon.com、自前で空輸業務開始か Boeing 767約20機を賃借)。

 Amazon.comは引き続き米UPSや米FedEx、米郵便公社(USPS)を使用するが、これら外部輸送業者への依存を減らしたいと考えている。同社は2013年の年末商戦で配送遅延の混乱を経験し、航空輸送網の運用を思い描くようになったとされている。

 またAmazon.comはATSGとの合意に基づき、向こう5年間でATSG普通株式の最大19.99%を購入する権利を獲得した。購入価格は2月9日の終値である9.73ドルで、合意を発表する前日の終値である11.77ドルより17.3%安い。

 両社の発表を受け、Amazonの株価は559.47ドルに0.1%低下。一方ATSGの株価は一時14.90まで上昇したが、16.7%高の13.73ドルで引けた。