英Kantar Worldpanelが現地時間2016年3月9日に公表したスマートフォンの販売統計によると、米Appleの「iPhone」の中国(都市部)における販売台数は引き続き首位を維持したが、その伸び率は低下し、2014年後半以来の最も低い水準となった。一方で同国のスマートフォンメーカー、Huawei Technologies(華為技術)がシェアを伸ばしており、Appleに迫っている。

 これは2016年1月末までの3カ月間の販売台数をまとめたもの。それによると、この期間の中国における機種別販売ランキングの上位3機種は、「iPhone 6s」「iPhone 6s Plus」「iPhone 6」の順だった。Appleの中国におけるシェアは25%となったが、前年同期から1.1ポイントの上昇にとどまっている。Kantar Worldpanelによると、今回の調査期間である2015年11月~2016年1月のうち、Appleにとって最も低調だったのは1月。2月の春節(旧正月)を前に価格に敏感な消費者が値引きセールを期待し、消費を控えた可能性が高いという。

 一方でHuaweiはその勢いが続いており、中国市場で24.3%のシェアを獲得した。またHuaweiは欧州5カ国(英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン)のAndroid端末市場で2位となり、シェアを14%に拡大。英国とフランスではシェアが2倍になった。

 2015年11月~2016年1月におけるスマートフォンのOS別販売台数シェアを見ると、米国ではAndroidが前年同期から6.3ポイント増加し、58.2%となった。これに対しAppleのiOSは同3.7ポイント減の39.1%。中国ではAndroidが同0.3ポイント減の73.9%、iOSは前述のとおり1.1ポイント増の25.0%。一方で日本ではiOSのシェアが同2.1ポイント減少したものの、50.3%となり、Androidの48.7%を上回った。

 Kantar Worldpanelによると、Androidは米国でフィーチャーフォン(従来型携帯電話)からの買い替え需要の取り込みに成功しているという。2015年11月~2016年1月におけるAndroid端末の米国販売台数に占めるフィーチャーフォンからの買い替え比率は30.6%だった。この数値はiOSでは13.7%にとどまっている。

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