スマートフォンを使った決済サービスなどを手がけるITベンチャーのShowcase Gig(ショーケースギグ)は2016年3月10日、自社サービスを利用したコーヒー店を東京・青山に開設する。スマホを使って客が来店前に商品を注文し、現金支払いなしに店舗で商品を受け取れるサービスなどを活用。注文履歴データを一元管理して、来店客向けのサービス改善に生かす。同社はこれまで、主に飲食店に向けてスマホ決済サービスを提供してきた。IT企業が自社技術を盛り込んだ店を自ら運営することで、顧客企業に対するショーケースとする考えだ。

国内外のコーヒー豆を焙煎して提供
国内外のコーヒー豆を焙煎して提供
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 店名は「THE LOCAL」。コーヒー情報Webサイト「Good Coffee」を手掛けるGood Coffeeと共同で運営する。

 同店に導入しているサービスの一つが、スマホを使ったShowcase Gigの注文・決済サービス「O:der(オーダー)」だ。客は自身のスマホにアプリを導入し、クレジットカード情報をあらかじめ登録する。商品を注文する際には、来店前にアプリを起動して商品を選択。店側には、タブレットなどで使う店舗用アプリに注文情報がインターネット経由で届く。

スマホを使って事前に注文できる
スマホを使って事前に注文できる
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 客が来店すると、店側は店内に設置したビーコンで検知する。客は商品を受け取る際、スマホ画面に表示されたQRコードを店員に提示する。店員はタブレットに接続したスキャナーで読み取り、決済する。

 「ITを活用することで飲食店の接客サービスや顧客の利便性がどう進化するか、自ら実証したい」。Showcase Gigの新田剛史社長は、IT企業がコーヒー店を開設する狙いをこう説明する。O:derはハンバーガーチェーン「FRESHNESS BURGER」やイタリア料理の「PIZZERIA BAR NAPOLI」などの飲食店に導入済み。ただ、興味は示すものの導入には二の足を踏む企業も依然として多いという。