キヤノンITソリューションズは2016年3月7日、EDI(電子データ交換)ソフトの製品ラインアップを整理し、これまで別々のブランドで販売してきた「EDI-Master」と「DEX」の二つのシリーズを単一ブランド「EDI-Master」に統合すると発表した。2016年5月から製品名の改称や機能統合などを進める。直近の製品強化では、2016年上期に通信プロトコルを増やしたEDI-Master B2B Gatewayの新版をリリースする。
EDIソフトのシリーズの一つであるEDI-Masterは、流通業や製造業に向いた、流通BMS(流通ビジネスメッセージ標準)プロトコルを備えたEDIソフト(関連記事:キヤノンIT、流通BMSプロトコルを追加したEDIサーバーソフトを発売)。よく使われる三つのレガシープロトコル(全銀協手順、全銀TCP/IP手順、JCA手順)と、インターネットを用いた流通BMSのEDIプロトコル(プッシュ型のebXML-MS 2.0、プル型のJX手順)を実装している。
もう一つのシリーズであるDEXは、メインフレームを含めた複数のプラットフォームで動作する、ファイル転送型のEDIソフト。金融業や商社で利用されているほか、医薬品の安全性報告や通関業務など特定用途に強みを持つ。ファイル転送プロトコルとして、全銀HTTP/HTTPS(独自仕様)、電子メール(SMTP/POP3/IMAP4)、EDIINT-AS2の三つを使える。
2016年5月から、DEXシリーズの製品名を改称し、EDI-Masterブランドに統合する(表)。名称変更後も、バージョンアップや保守サポートは、それぞれの製品ごとに継続する。
旧製品名 | 新製品名 |
---|---|
DEX-II | EDI-Master DEX for Mainframe |
DEX-III | EDI-Master DEX for Unix/Linux/Windows |
DEX Business Server | EDI-Master DEX Business Server |
DEX Trade Gateway | EDI-Master DEX for Trade |
DEX Medical Gateway | EDI-Master DEX for Medical |
直近の機能強化の予定は、以下の通り。
既存のEDI-Masterシリーズの中核製品であるEDI-Master B2B Gatewayは、通信プロトコルを増やす。レガシープロトコルと流通BMSプロトコルに加え、ファイル転送プロトコルとしてFTP/SFTPとSMTP/POP3を追加する。機能強化の時期は2016年上期を予定する。
2016年下期には、メインフレーム向けEDIソフト「EDI-Master DEX for Mainframe」で大規模データセットを扱えるようにする。医薬品業向けEDIソフト「EDI-Master DEX for Medical」では、医薬品副作用安全性報告の新EDI仕様であるE2B R3 PMDA仕様に対応する。フォーマット変換ソフトの「EDI-Master TRAN for ANYs」は、使い勝手を向上させる。