ブロックチェーン技術のスタートアップ企業である米R3CEVは米国時間2016年3月3日、同社のコンソーシアム「Global Collaborative Lab」メンバーである40の世界主要銀行と共同で、五つの異なるブロックチェーン技術について実用可能性を評価する実証実験を成功裏に終えたと発表した。

 実験に参加した40行には米シティ、ドイツ銀行、英HSBCなどのほか、邦銀では三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループが含まれる。

 この実験では、米チェーン(Chain)、英エリス(Eris Industries)、イーサリアムプロジェクト(Ethereum)、米IBM、米インテルがそれぞれ構築したブロックチェーンについて、金融業務に応用する際の機能や性能を評価した。Microsoft Azure、IBM Cloud、Amazon AWS上でそれぞれの分散台帳をホスティングし、R3が運用した。

 実験に参加した銀行は、これらの分散台帳に接続し、ブロックチェーン上で契約を自動実行できる技術「スマートコントラクト」を応用し、コマーシャルペーパー(短期の無担保約束手形)の発行、二次市場での取引、償還などの業務を支援するプログラムを実行させた。五つの異なる分散台帳について、同一のビジネスロジックに基づくスマートコントラクトを実行することで、それぞれの分散台帳のパフォーマンスを正確に評価できるようにした。

 R3CEVは今後数カ月にわたり、コンソーシアムのメンバーと共に、分散台帳を使った金融アプリケーションの開発やテストを実施する。