中国DJIは2016年3月3日、ドローン(無人飛行機)「Phantom 4」を発表した。2015年4月に発表した「Phantom 3」の後継機である。飛行中に進行方向の障害物を検知して回避する「障害物感知システム」や、搭載するカメラで被写体を認識して自動追尾する機能を搭載。価格は18万9000円(税込み)で、3月中旬に出荷を始める。

 DJIは2006年設立で世界最大手のドローンメーカー。同社によれば、民生用ドローンの市場で7割のシェアを占める。

写真1●DJI JAPANの呉稲 代表取締役。手に持っているのはPhantom 4
写真1●DJI JAPANの呉稲 代表取締役。手に持っているのはPhantom 4
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 発表会に臨んだ、DJI JAPANの呉稲 代表取締役はPhantom 4について「Phantom 3のデザインを継承しつつ、より機体性能と安全性を高めるために仕様を再設計した」と話した(写真1、2)。

写真2●Phantom 4。基本的なデザインはPhantom 3を継承している
写真2●Phantom 4。基本的なデザインはPhantom 3を継承している
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 新たに搭載した障害物感知システムは、進行方向の0.7~15メートルの距離にある障害物を検知できる。安全な飛行経路を確保するために迂回するなどして、障害物を回避する。検知には、機体前方の2カ所に搭載する光学センサーを使う(写真3、4)。安全な飛行経路が確保できないと判断した場合は、飛行速度を落として空中にホバリングし続ける。

写真3●障害物感知システムのために、機体前方の2カ所に光学センサーを搭載
写真3●障害物感知システムのために、機体前方の2カ所に光学センサーを搭載
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写真4●搭載する光学センサーが0.7~15メートルの距離にある障害物を検知する
写真4●搭載する光学センサーが0.7~15メートルの距離にある障害物を検知する
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 最大飛行速度は秒速20メートル。最大上昇速度は秒速6メートルで、最大下降速度は秒速4メートルとなっている。本体重量は1380グラムで、最大飛行可能時間は約28分。

 Phantom 4はスマートフォンやタブレットの専用アプリケーション「DJI GO」で操縦できる。iOSとAndroidに対応。2.4GHz帯で通信する。アプリ上の画面では、機体が撮影した映像をリアルタイムに見られる。自動追尾機能の「ActiveTrack」は、アプリ画面上で指定した被写体を認識して一定距離を保ちながら追尾できる。