ドイツの競争当局が米Facebookに対する本格的調査を開始したと、複数の米メディア(New York TimesやTechCrunchなど)が報じた。ドイツ連邦カルテル庁は現地時間2016年3月2日、Facebookが市場での独占的地位を乱用して個人情報を収集し、データ保護法に違反している疑いがあるとして捜査すると発表した。
同庁は、Facebookが複雑な利用規約によってユーザーをデータ収集に合意させていないか、また、入手した個人情報の使用について十分にユーザーに説明しているかを詳しく調べるとしている。
同庁のAndreas Mundt長官は「Facebookのように広告から収入を得ているインターネットサービス企業にとって、ユーザーデータは非常に重要だ。そのため、消費者がデータ収集の範囲について十分な情報を得られているかを独占的地位乱用の観点から検証することは必要不可欠だ」と述べた。
一方Facebook広報担当者は「当社はドイツの法律に準拠していると確信しており、カルテル庁の調査に進んで協力する」と答えている。
Facebookは別の件で今週、ユーザーが投稿したコンテンツの使用について十分な説明を怠ったとして、ドイツの裁判所から11万ドルの罰金を言い渡されている。
また英Reutersの報道によると、カルテル庁の調査では欧州委員会(EC)および欧州連合諸国の競争関連当局、ドイツのデータ保護当局や消費者権利団体らと協力するとしているが、フランスおよびアイルランドの競争当局は積極的には関わっていないと述べている。また、ベルギーの競争当局はコメントを避けた。