無線通信機器メーカーの仏パロットは2016年3月1日、ドローン(無人飛行機)「Bebop 2」を3月下旬に発売すると発表した。2015年3月に発表した「Bebop Drone」の後継機である。本体重量は500グラムで、飛行可能時間は25分。Bebop Droneの約11分の飛行可能時間に比べて、2倍以上に伸びた。同社が開発する機体のうち、「同重量クラスでは最も飛行時間が長い機体」(パロット)だ。

 パロットは1994年設立で、自動車の車載通信機器やオーディオ機器などを開発してきた。2010年からドローン開発に着手。2015年の売上高は3億2630万ユーロ(IFRS:国際財務報告基準)で、そのうちドローン事業の売り上げが1億8340万ユーロ(同)となっている。

 「飛行可能時間を最大限に延長するためにBebop Droneの仕様を一から設計し直した」。発表会に臨んだParrot Japanのクリス・ロバーツ 日本・アジア太平洋副社長はBebop 2についてこう話す(写真1)。

写真1●Parrot Japanのクリス・ロバーツ 日本・アジア太平洋副社長。手に持っているのはBebop 2
写真1●Parrot Japanのクリス・ロバーツ 日本・アジア太平洋副社長。手に持っているのはBebop 2
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 Bebop 2の飛行性能は次の通り。最高速度は、水平方向が時速60キロメートル、垂直方向が時速21キロメートルだ。最高速度への到達時間は14秒。「100メートルの高度に到達するまでに、20秒も必要としない」(クリス氏)。時速63キロメートルの向かい風にも耐えられるという。

写真2●Bebop 2と専用コントローラーの「Skycontroller Black Edition」
写真2●Bebop 2と専用コントローラーの「Skycontroller Black Edition」
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 Bebop 2は スマートフォンやタブレット用のアプリ「FreeFlight 3」で操縦可能だ。AppStore、Google Playで無償でダウンロードできる。2.4GHzと5GHz帯の無線で通信する。飛行距離は最長で300メートル。専用コントローラーの「Skycontroller Black Edition」を使えば最長飛行距離は2キロメートルとなる(写真2)。

 姿勢制御しながら飛行するため、機体に複数のセンサーを搭載する。飛行高度を測定する超音波センサー、圧力センサー、姿勢制御のための加速度センサー、角速度センサーだ。このほか、GPSを利用した測位システムに対応する。

 搭載するカメラは1400万画素でフルHDに対応する「魚眼レンズ」だ。操縦用のアプリで、機体の向きを変えずに最大180度の角度までカメラの向きを変えられる。飛行中の映像はリアルタイムに操縦端末に伝送される。

 価格はBebop 2が6万7500円(税別)、専用コントローラー同梱セットが10万2500円(同)。