写真●NTTデータの浦野大コンサルティング&マーケティング事業部部長
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写真●NTTデータの浦野大コンサルティング&マーケティング事業部部長
(写真:井上 裕康)

 「商品・サービスのデジタル化を目的としたシステムは、内製で構築することが基本になる」。

 NTTデータの浦野大コンサルティング&マーケティング事業部部長は2016年2月29日、東京・目黒の目黒雅叙園で開催された「イノベーターズセミナー」(日経BP社 日経ITイノベーターズ主催)に登壇し、こう語った(写真)。講演タイトルは「Digital Transformation-変革を実現するIT・プロセス・人・組織の勘所」である。

 浦野氏は、商品・サービスのデジタル化と、業務効率化のためのシステム構築とを比較。開発手法やプロジェクト推進体制などについて違いを示した。

 講演の中で印象的だったのが、冒頭のコメント。システム構築を請け負うNTTデータが「内製が基本」と主張するのだから、ともすれば自社のビジネスの否定と誤解されかねない。

 浦野氏はこう説明を続ける。「デジタル化のシステム構築プロジェクトは、新規ビジネスの創出が伴うなど、不確実性の高いものが多くなる。このため、仕様を決めてから外部企業に発注するのは不向き。事業部門とIT部門が一体となり、内製で試行錯誤しながら改善を進めるほうが効率的だ」。

 ただし内製するにしても、必要なスキルを持つ人材がすべて社内でそろうとは限らない。その場合は、不足している役割のスキルを持つ人材を外部企業から調達することになる。実際、NTTデータに対する顧客の要望も変わってきたという。「請負による開発依頼に加え、最近では顧客企業のチームを構成する人材として、コンサルタントやITディレクターを必要とされることが増えてきた。適切な人材を顧客企業に送り込んでいる」(浦野氏)。