米Googleの自動運転車が衝突事故を起こしていたことが、米カリフォルニア州管理当局(DMV)が公開した書類から分かったと、複数の米メディア(ForbesGizmodoなど)が報じた。米Googleは現地時間2016年2月29日、同社の自動運転車に責任があることを認めたという。他の車との衝突事故で同社に責任があるケースはおそらく初めて。

 事故が発生したのは2月14日。トヨタ自動車の「Lexus RX450h」を改造したGoogleの自動運転車がカリフォルニア州マウンテンビューの公道をテスト走行中、路上の砂袋をよけようとした際、公共バスと衝突した。

 Google車は交差点での右折に備えて広い車線の右側に寄ったが、排水口を囲む砂袋が道路脇にあったため一時停止。数台の直進車が同車を通過したのち、砂袋をよけるために車線の中央寄りに戻りながら発進したところ、バスの側面に衝突した。

 Google車に乗っていたドライバーはバスが近づいていることに気づいていたが、バスが停止または減速してGoogle車に道を譲ってくれるものと考えて自動運転モードを継続した。

 Googleの報告によれば「軽い」衝突事故で、Google車の速度は毎時2マイル(約3km)、一方バスの速度は毎時15マイル(約24km)ほどだった。Google車はバンパーの左前、左前輪、ドライバー用センサー1つを破損したが、双方ともけが人はなかった。

 米EngadgetがGoogleから入手した月次レポートからの抜粋では、Googleは「おそらく、バスの運転手も我々が待っていると考えていたのだろう。この種の誤解は人間のドライバー同士でも日常の道路で起きている」と釈明。同車のシミュレーターで事故を検証してソフトウエアを改良し、「バスなどの大型車両は他のタイプの車より道を譲ってくれる可能性が低いことを、我々の自動運転車はより深く理解するようになる」と述べている。

 この事故について、米消費者保護団体Consumer Watchdogのプライバシー関連担当ディレクターは「ロボットカーの技術がまだ自動運転で走行できるレベルではないことを証明するものだ」とコメントしている(英Reutersの報道)。