写真1●湘南ベルマーレが公式Twitterで発信していた試合結果の「スタッツ情報」。文字ベースでは注目度に欠ける
写真1●湘南ベルマーレが公式Twitterで発信していた試合結果の「スタッツ情報」。文字ベースでは注目度に欠ける
(出所:JX通信社)
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写真2●新システムで「スタッツ情報」を画像変換したところ
写真2●新システムで「スタッツ情報」を画像変換したところ
(出所:JX通信社)
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写真3●ゴール時には選手やゴール時間、対戦相手などを含む画像が自動生成される
写真3●ゴール時には選手やゴール時間、対戦相手などを含む画像が自動生成される
(出所:JX通信社)
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写真4●JX通信社の取締役COO(最高執行責任者)である細野雄紀氏
写真4●JX通信社の取締役COO(最高執行責任者)である細野雄紀氏
(出所:JX通信社)
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 ニュース解析・配信基盤を提供するベンチャー企業のJX通信社(東京・千代田)は、サッカーJ1湘南ベルマーレに、試合関連のSNS向けコンテンツをリアルタイムで生成するシステムを提供したと発表した。湘南ベルマーレは、2016年2月27日のJ1開幕戦(対アルビレックス新潟)から運用を始めた。

 新システムは試合前のスターティングメンバー、試合中のゴールや選手交代、試合後の結果などの情報を画像に変換する機能を提供する。湘南ベルマーレはこれまでこうした情報を文字で入力し、公式Twitterで配信してきた(写真1)。

 新システムは試合情報を入力すれば自動的にグラフや選手写真入りの画像を生成し、Twitterなどに投稿できる機能を提供する(写真2、3)。これによって、サポーターの試合への注目度を高める効果を狙う。

 新システムは、JX通信社の取締役COO(最高執行責任者)である細野雄紀氏(写真4)が開発した。細野氏は湘南ベルマーレの熱心なサポーターで、個人として資金を出してスポンサーになっているほどである。

 湘南ベルマーレは、Jリーグ発足翌年の1994年に加盟(当時の名称は「ベルマーレ平塚」)した名門クラブ。だが収益面では、首都圏の主要クラブに比べて苦戦している。「経営規模が大きい浦和レッズなどは、ネットでの情報発信にも注力している。湘南ベルマーレも公式Twitterなどで情報発信してはいたが、画像制作などに人手をかけられない分、サポーターへの訴求力が不十分だった」(細野氏)。

 細野氏は2015年12月にこうした問題意識をブログに書いたところ、湘南ベルマーレのスタッフから問い合わせがあり、今回のシステム提供に至ったという。細野氏は「スポーツデータの画像自動生成技術は、他のサッカークラブや、サッカー以外のスポーツにも応用できる。湘南ベルマーレに限らず、画像デザインに人手を割きにくい組織が情報発信力を高める手段として広めていきたい」と話す。

 JX通信社は独自のニュース収集・解析基盤「XWire(クロスワイヤ)」を、個人向けニュースアプリ「Vingow(ビンゴー)」「News Digest(ニュースダイジェスト)」や、法人向けサービスとして提供するベンチャー企業。共同通信社傘下の共同通信デジタルと資本業務提携している(関連記事:共同通信デジタルとJX通信社が資本業務提携、既存メディアが記事解析技術取り込む)。