中国の習近平国家主席の政策を批判した中国大物実業家のSNSアカウントが削除されたと、複数の海外メディアが報じている。

 香港の英字新聞「South China Morning Post(南華早報)」や米紙「New York Times」などの報道によると、中国のインターネット検閲当局である中国サイバースペース管理局(CAC:Cyberspace Administration of China)は現地時間2016年2月28日、不動産開発のRen Zhiqiang氏が「新浪微博(Sina Weibo)」と「Tencent(騰訊)」上に持つアカウントの削除を命じた。同氏のアカウントには3800万人近いフォロワーが付いていたという。

 CACは、Zhiqiang氏が「違法な情報をオンライン上に流し、邪悪な影響力を行使した」と説明。同氏のどの発言が問題だったかについては明らかにしていないが、「インターネットユーザーからの苦情を受けて、アカウント削除を決定した」としている。

 Zhiqiang氏は習主席のニュースメディア統制方針に対して疑問を投げかけ、「国営メディアは税金によって運営されており、共産党のためではなく、国民のためにあるべきだ」とする内容のコメントを投稿したという。なおこの投稿はすぐに削除されている。

 習主席は今月、国営メディア3社を訪問し、「ニュースメディアは共産党の指導に従い、中国政府の宣伝を主要目的とするべき」と強く呼びかけた。

 なお中国では、外国企業のインターネットコンテンツ配信を禁じる規定が3月10日より施行される(関連記事:中国、3月10日より外国企業のコンテンツ配信を禁止へ)。