米IDCが現地時間2016年2月23日に公表したウエアラブル機器市場に関するリポートによると、2015年第4四半期(10~12月)における世界出荷台数は2740万台となり、前年同期から126.9%増加した。また2015年の年間出荷台数は7810万台で、前年から171.6%増加した。

 こうした3桁成長はウエアラブル機器に対するエンドユーザーとメーカー双方の関心の高まりを示しているという。ウエアラブル機器は先進技術のマニアやアーリーアダプターだけのものではなく、広く一般の人々に受け入れられる、存続可能な製品カテゴリーだとIDCは分析している。

 2015年第4四半期のメーカー別出荷台数を見ると、米Fitbitが810万台で首位となった。これに米Appleの410万台が次ぎ、そのあと中国Xiaomi(小米科技)の270万台、韓国Samsung Electronicsの130万台、米Garminの100万台と続いた。

 このうち首位のFitbitは、多様な製品ラインアップ、世界市場への進出、企業の社員健康増進プログラムへの販促といった施策が奏功し、台数を伸ばした。Fitbitはウエアラブル機器市場における紛れもないワールドリーダーだとIDCは指摘している。

 Appleは、昨年4月に発売した「Apple Watch」が好調で、年末商戦の販促も成功した。これによりApple Watchを含む同社の「その他事業」の売上げが大きく伸びた。ただ、昨年10~12月期の出荷台数は前の四半期からわずかな伸びにとどまった。Apple Watchはまだ、同社のほかの製品カテゴリーの成長減速を補うまでには至っていないとIDCは指摘している。

 3位のXiaomiは、低価格端末の「Mi Band」が中国市場でよく売れた。11月に発売した新モデル「Mi Band Pulse」(関連記事)も奏功し、その出荷台数伸び率はIDCが調査対象にしたメーカーの中で最も高かった。

 2015年通年のメーカー別出荷台数は、Fitbit(2100万台)、Xiaomi(1200万台)、Apple(1160万台)、Garmin(330万台)、Samsung(310万台)の順となった。このうちFitbitの年間出荷台数は前年から93.2%増えたが、シェアは前年の37.9%から26.9%に低下した。これに対しXiaomiの出荷台数は同951.8%増加し、シェアは4.0%から15.4%に上昇した。Appleは比較できる前年のデータがないが、その2015年のシェアは14.9%となり、Xiaomiに迫っている。

 これら上位メーカーの製品はスマートウオッチやリストバンド型端末であり、いずれも手首に付けるタイプだ。だがIDCによると、ウエアラブル機器市場では、衣服タイプ、フットウエアタイプ、アイウエアタイプといったほかのフォームファクターの製品も急成長しているという。

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