米Appleの「iPhone」ロック解除要請拒否問題について、米Microsoft創業者のBill Gates氏は米当局を支持していると、英紙Financial Timesが現地時間2016年2月23日付けの記事で報じた。しかしGates氏はその後出演したテレビ番組で、「たいへん残念だ、記事は私の意見を正確に表していない」と述べている。

 複数の米メディア(New York TimesForbesBloombergなど)によると、Gates氏はFinancial Timesのインタビューで、「これ(Appleへのロック解除要請)は特殊なケースだ。政府は一般的なものを求めているのではない、特別なケースに必要なものを求めている」と、米連邦捜査局(FBI)の主張を援護した。

 Appleは、iPhoneにバックドアを設けるようなツールを一度作り出してしまうと、それが繰り返し使われる可能性があり、「危険な前例になる」との強い懸念を示している。同社は、政府がロック解除命令を取り下げ、専門家らで構成される委員会を結成すれば、「そうした取り組みに喜んで参加する」と述べている(関連記事:Apple、政府に命令取り下げと委員会設置を提案 iPhoneロック解除問題で)。

 Gates氏はBloombergのニュース番組に出演し、Financial Timesの記事は極端だと釈明。正しい保護規定により、政府はテロ阻止など、国民のために行動できるとし、「政府の判断力を完全に奪ったりすることのない保護規定があると信じている」と述べた。

 どうするべきだと思うか問われると、Gates氏は、裁判所と議会の判断に委ねると答え、「こうした状況はセキュリティに関する議論の機会になる」と付け加えた。