米Strategy Analyticsがこのほどまとめたスマートウオッチ市場に関するリポートによると、2015年第4四半期(10~12月)における世界出荷個数は810万個で、同じ期間に世界で出荷されたスイス製腕時計の数を上回った。

 「Apple Watch」に代表されるスマートウオッチの世界出荷個数がスイス製腕時計を上回ったのはこれが初めてだという。世界のスマートウオッチ出荷個数は1年前の2014年第4四半期にわずか190万個だったが、これが1年で約316%増加した。スマートウオッチは北米、西欧、アジアで急成長しており、Apple Watchが市場をけん引しているという。

 推計では、2015年第4四半期の世界スマートウオッチ市場における米Appleの台数シェアは63%だった。これに韓国Samsung Electronicsが16%のシェアで次いだ。

 一方で2015年第4四半期におけるスイス製腕時計の世界出荷個数は790万個で、前年同期から約5%減少した。スイス時計の世界需要は減速しており、The Swatch Groupなどの大手メーカーは苦戦していると、Strategy Analyticsは指摘している。

 Strategy AnalyticsのエグセクティブディレクターNeil Mawstonは、「スイスの時計産業はスマートウオッチ開発への対応がとても遅い。業界は現実から目をそらし、スマートウオッチが市場から消え去ることを期待している」と述べている。

 スマートウオッチは、TAG Heuerなどのスイスメーカーも手がけており、それらの製品は好調に売れているとの報告もある。だがこうしたスイスブランドの合計出荷個数は、スマートウオッチ市場全体のわずか1%にとどまっており、AppleやSamsungなどのシェアには遠く及ばないとMawston氏は指摘している(関連記事:TAG Heuer、高級スマートウオッチ増産へ 需要好調受け)。

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