英Vodafone Groupと米メディア大手Liberty Globalは現地時間2016年2月15日、両社のオランダ事業を統合することで合意したと発表した。

 折半出資による合弁会社を設立し、Liberty Globalが傘下のオランダZiggoを通じて提供しているTVサービスとブロードバンドサービス、および電話サービスと、Vodafoneのモバイルサービスを組み合わせる。オンランダ市場においてより競争力のある通信事業を展開し、法人および消費者に向けたサービス強化のためのデジタルインフラ、エンタテインメントサービス、プロダクティビティアプリケーションなどに投資する。

 新会社は、VodafoneおよびZiggoブランドのもとで運営し、530万人のモバイルユーザー、420万人のビデオユーザー、320万人のブロードバンドユーザー、260万人の固定電話ユーザーを抱えることになる。

 事業統合によりLiberty GlobalとVodafoneは、コスト、資本支出、および収入面で35億ユーロのシナジー効果を見込んでいる。2016年の終わり頃に手続きを完了する予定。

 英Reutersによると、両社は昨年、欧州7カ国における事業統合で協議していたが、交渉はまとまらなかった。しかし今年、オンランダのみに焦点を絞った話し合いを再開したという。

 欧州ではテレビ、無線、ブロードバンドなど複数のサービスを単一の事業者から導入する傾向が高まっている。このためコスト削減とサービス強化を目指して欧州通信事業者間の事業統合が進んでいる。オランダではこれまで、国内通信大手Royal KPN(KPN)のみが自社ネットワーク上でこうしたマルチサービスを展開しており、Liberty GlobalとVodafoneは事業統合によってKPNに対抗する構えだ(米Bloombergの報道)。

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