米Appleのモバイル決済サービス「Apple Pay」が、中国で現地時間2016年2月18日から利用可能になると、英Reutersが報じた。

 中国Industrial and Commercial Bank of China(中国商工銀行)が、同行顧客を対象にApple Payを利用可能にすると、2月16日にSNSに投稿したことから明らかになった。

 Appleは昨年12月に中国カード決済大手のChina UnionPay(中国銀聯)と提携し、2016年の早い時期に中国でApple Payを開始すると述べていた(関連記事:Apple、中国でも「Apple Pay」提供へ 中国銀聯と提携)。

 Reutersによると、中国商工銀行は資産額で中国最大の金融機関。また、China Guangfa Bank(中国広発銀行)とChina Construction Bank(中国建設銀行)も2月18日にApple Payの提供を開始することをSNSで告知したと、中国国営ラジオが報じているという。

 Appleが中国向けサイトでApple Payパートナーとして名前を挙げている中国金融機関のうち、残り16行も近いうちにApple Payの提供を開始すると見られる(米Macworldの報道)。

 Reutersが引用した中国インターネット情報センター(CNNIC)の調査データによると、中国ではスマートフォンによる支払いはすでに広く普及しており、2015年末時点で3億5800万人がモバイル決済を利用している。中国のモバイル決済市場は、Tencent Holdings(騰訊控股)の「WeChat Payment」と、Alibaba Group(阿里巴巴)の関連金融サービス事業が手がける「Alipay」による寡占状態となっている。

 Apple Payは2014年10月に米国でサービスが始まり、2015年7月に英国に拡大。さらに2015年末までにカナダとオーストラリアでも提供を開始した(関連記事:Apple Pay、カナダでサービス開始へ、ただし当初の対応カードはAmerican Expressのみ)。中国はApple Payにとってこれらに次ぐ5番目の市場となる。

 また、Appleは6番目としてフランスに目を向けているとするフランスのメディア「iGeneration」の記事を、Apple関連情報サイト「9to5Mac」が伝えている。フランス向けのサービス提供については今年前半に発表される見通し。