楽天グループのクレジットカード事業会社である楽天カードと全日本空輸(ANA)は2016年2月16日、クレジットカード「楽天カード」にANAのマイレージプログラム「ANAマイレージクラブ(AMC)」機能を付帯した「楽天ANAマイレージクラブカード(楽天AMCカード)」の発行を同日に開始すると発表した。楽天カードがグループ外企業との提携カードを発行するのは初めてで、ANAも電子商取引(EC)事業者との間でAMC提携カードを発行するのは初めて。
楽天AMCカードは既存の楽天カードと同様、クレジット決済でポイントが付与されるほか、楽天グループが展開する共通ポイント「楽天ポイントカード」、電子マネー「楽天Edy」の機能が付帯。楽天グループのサービスなどで展開されるボーナスポイントも同様に付与される。
違いはクレジット決済額に応じた基本ポイントをANAのマイルに切り替え可能な点である。既存の楽天カードは100円(税込み)当たり1ポイントの楽天スーパーポイントが付与されるが、今回の楽天AMCカードはこの分を200円(税込み)当たり1マイルのANAマイル付与に切り替えられる。どちらに付与するかは個々の会員が選択可能。ただし基本ポイント以外のボーナスポイントなどはANAのマイルに切り替えられず、既存の楽天カードと同様に楽天スーパーポイントとして付与される。
楽天副社長兼楽天カード社長の穂坂雅之氏は「楽天カードは1日7000人前後のペースで新規申し込みが来ている。楽天市場で他社カード決済している利用者が今回のカードに興味を持つのではないかとみている。ANAのマイレージと楽天のポイントの両方がたまる利点をアピールし、一気に枚数を獲得したい」と意気込みを示す。
ANAの志岐隆史常務も「当社は楽天グループと縁が深い。楽天トラベルと共同展開しているダイナミックパッケージ(航空券とホテル等のセット販売)既に国内の旅行商品では販売席数ベースで約2割を占めるまでに成長している。楽天グループは女性や若年層に強く、当社はビジネス客に強いという補完関係にもある。現在約2900万人のAMC会員を、楽天との相乗効果で伸ばしていきたい」と期待感を示した。