米IDCが現地時間2016年2月14日に公表した中国のスマートフォン市場に関する調査によると、2015年第4四半期(10~12月)の同国における出荷台数は1億1730万台となり、前年同期から7.9%増加した。同国スマートフォン市場の成長はすでに減速が始まっているが、同年第4四半期は11月の独身の日セールや、中国Huawei Technologies(華為技術)の好調な販売に支えられた。これにより2015年の年間出荷台数は4億3410万台となり、前年から2.5%増加した。

 2015年のメーカー別年間出荷台数は、中国Xiaomi(小米科技)が6490万台で最も多く、そのあとHuaweiの6290万台、米Appleの5840万台、中国Oppo Mobile Telecommunications(広東欧珀移動通信)の3530万台、中国VIVO(維沃移動通信)の3510万台と続いた。

 2013年時点のスマートフォン出荷台数の上位3社は、韓国Samsung Electronics、中国Lenovo Group(聯想集団)、Coolpad(酷派)ブランドの中国Yulong Computer Telecommunication Scientific(宇竜計算机通信科技)だったが、2015年は勢力図が様変わりしたとIDCのシニアマーケットアナリスト、Tay Xiaohan氏は述べている。通信事業者による補助金の削減や、消費者のブランド選好の変化といった要素がその背景にあるという。

 同氏によると、年間出荷台数で首位となったXiaomiは、中国スマートフォン市場の成長とともに市場参入し、今も高いシェアを維持している。しかし2014年からはHuaweiとAppleが急速に伸び、Xiaomiを猛追している。2015年におけるHuaweiとAppleの前年比伸び率はそれぞれ53.0%と56.0%だったが、Xiaomiは同23.2%にとどまった。

 Huaweiは技術・製品開発、ブランド戦略、販売チャネルへの投資が奏功し急成長を続けている。Appleは依然、中国消費者にとっての魅力あるブランドという地位を保っていると、Xiaohan氏は述べている。

 一方2015年における各メーカーの平均小売価格(ASP)は、Appleが718ドルと、最も高かった。これに次いだのがOppoの231ドル。そのあとHuaweiの213ドル、VIVOの208ドル、Xiaomiの141ドルと続いた。このうち前年から価格が最も上昇したのはHuaweiで、その伸び率は20.9%だった。AppleのiPhoneも同15.7%と大きく価格が上昇している。これに対しXiaomiは同7.6%低下した。

 IDCによると、Huaweiは旗艦モデル「Ascend Mate 7」の販売が好調だったほか、200~500ドルの製品の出荷台数も伸ばしており、中・高価格帯端末の市場でSamsungの出荷台数に大きな影響を及ぼした。Huaweiは今後も中国における強いブランド力を背景に、Samsungに影響を与え続けるだろうと、IDCは予測している。

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