中国検索大手Baidu(百度)は現地時間2016年2月12日、同社傘下の動画サービス「iQiyi(愛奇芸)」について、BaiduおよびiQiyiの両最高経営責任者(CEO)から法的拘束力のない買収提案を受けたことを明らかにした。

 Baiduは現在、iQiyiの発行済み株式の80.5%を所有している。BaiduのRobin Yanhong Li会長兼CEOとiQiyiのYu Gong CEOは、Baiduのすべての持ち株を買い取ることを提案。買収額については明らかにしていないが、iQiyiの企業価値を28億ドルと見積もった上での金額という。

 提案に基づいて手続きが完了した場合、iQiyiは引き続きBaiduの戦略的パートナーとなり、業務提携を締結する。

 買収提案を受け、Baiduの取締役会は社外取締役3名による特別委員会を設置した。同委員会は他の取締役や金融専門家の助力を得ながら買収提案について査定する。Baidu取締役は株主や関係者に対し、現時点で何も決定しておらず、合意も結んでいないことを強調した。

 米メディアの報道(New York Times)によると、iQiyi株の買収は新規株式公開(IPO)に向けた動きだという。このところ複数のiQiyi幹部は、数年以内に米国で上場する計画だと繰り返し述べていた。iQiyiは2010年(当時の名称は「Qiyi.com」)にBaiduと米Providence Equity Partnersの出資によりサービスを開始。Baiduは2012年にProvidence Equity Partnersの持ち株を買い取り、iQiyiを傘下に収めた。

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