テックビューロは2016年2月12日、シンガポールのドラゴンフライフィンテック(Dragonfly Fintech)が開発するブロックチェーン基盤の決済プラットフォーム「Automated Clearing and E-Settlement (ACES)」の日本市場向け販売に向けた合弁事業設立で、ドラゴンフライフィンテックと基本合意書を締結したと発表した。

 ACESは、ブロックチェーンのオープンソースソフト「NEM」をベースとし、各法定通貨に対応するデジタルマネーを交換することで決済を実行する。例えば日本円で国際決済を実行する場合、日本円を「デジタル円」に為替交換し、ブロックチェーン上で決済する。両社は、銀行はACESを導入することで、決済とクリアリング(清算)の処理を自行内で完結でき、決済にかかるコストや時間を削減できるとの主張である。

 ドラゴンフライフィンテックは2015年8月創業のスタートアップ企業。NEMのコアメンバーの1人である武宮誠氏が設立時からCEO(最高経営責任者)を務めていたが、2016年1月までにCEOを退任、現在は同じくNEMのコアメンバーのロン・ウォン(Lon Wong)氏がCEOを務めている。ウォン氏によれば、武宮氏は現在、ドラゴンフライフィンテックとは独立して活動しているという。武宮氏は、Chief Blockchain Officerを務めていたテックビューロを2015年12月末に契約満了で退職している。