ヴイエムウェアは2016年2月10日、デスクトップ仮想化関連の製品・サービスの強化について発表した。デスクトップ仮想化などを提供するソフトウエアの新版「VMware Horizon 7」および、クライアント管理などを支援する統合型製品・サービス「VMware Workspace ONE」がある。デスクトップ仮想化技術をより容易に幅広い用途で活用できるようになる。

 VMware Horizon 7は、ユーザー別のデスクトップ環境を高速に作成する「ジャストインタイム配信」、仮想デスクトップを配信する新プロトコル「Blast Extreme」などの新機能を装備した。また、VMwareのDaaS(デスクトップ・アズ・ア・サービス)からオンプレミスのデスクトップ仮想化環境を管理する「VMware Horizon Air Hybrid-Mode」を提供する。

 ジャストインタイム配信では、仮想マシンを高速に複製・配備するInstant Clone(旧称:Project Fargo)などのヴイエムウェア独自技術を活用して、ユーザー別にパーソナライズした仮想デスクトップ(仮想PC)を作成する。20分以内に2000の仮想デスクトップが利用可能になるという。

 Blast Extremeは、モバイル環境で利用をより配慮した仮想デスクトップの画面転送プロトコル。Windows以外のより広範囲なデバイスで動作するとともに、モバイルデバイスのバッテリー寿命がのびるようにしたという。従来の画面転送プロトコルであるPCoIPと併用して動的に切り替えることも可能だ。

 VMware Horizon Air Hybrid-Mode(旧称:Project Enzo)は、VMware Horizon Air上の管理ツールによってハイパーコンバージドアプライアンスなどで構築したオンプレミスのデスクトップ仮想化環境を管理する仕組み。重要なデータを扱ったり、高速な応答を要したりするデスクトップ仮想化環境をオンプレミス環境に用意した場合も、クラウド上のデスクトップ仮想化環境と統合管理できるようになる。

 VMware Horizon 7とVMware Horizon Air Hybrid-Modeは、2016年1~3月に提供を開始する予定。VMware Horizon 7はオンプレミス製品として提供され、同時利用1ユーザー当たりの市場想定価格は3万1000円から。VMware Horizon Air Hybrid-Modeはクラウドサービスとして提供され、指定1ユーザー当たりの1カ月の利用料金2000円から、または同時接続1ユーザー当たりの1カ月の利用料金3200円から。

 VMware Workspace ONEは企業内で、クラウド、モバイル、Windowsといった各種アプリケーションを端末のユーザーが安全にセルフサービスで導入して利用可能にする仕組みを提供するソリューション。メーラー、カレンダー、コンテンツロッカーなどに、VMware AirWatchやVMware Identity Managerなどの機能を統合して、幅広いアプリケーションを幅広いデバイスから一つのIDでアクセス可能にする環境「デジタルワークスペース」を実現するという。

 用途に応じて、Standard、Advanced、Enterpriseの各エディションがある。Standardでは基本的な管理機能が利用できる。Advancedではより高度な管理機能が提供され、EnterpriseではVMware Horizonのデスクトップ仮想化機能までが利用可能になる。

 VMware Workspace ONEは、2016年1~3月にクラウドサービスおよびオンプレミス製品として提供を開始する予定。市場想定価格は、クラウドサービスとして提供する場合が1ユーザー当たり1カ月980円から、オンプレミス製品として提供する場合は1ユーザー当たり1万8500円から。