写真●Arcserve Japan、ソリューション統括部シニアコンサルタントの渡辺敬彦氏
写真●Arcserve Japan、ソリューション統括部シニアコンサルタントの渡辺敬彦氏
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図●災害時に仮想マシンからバックアップイメージを直接起動してサーバーを復旧できるようにした
図●災害時に仮想マシンからバックアップイメージを直接起動してサーバーを復旧できるようにした
(出所:Arcserve Japan)
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 Arcserve Japanは2016年2月3日、イメージバックアップソフトの新版「Arcserve Unified Data Protection v6」(Arcserve UDP v6)を発表した(写真)。3月3日に出荷する。新版では、外部のジョブ管理ツールからバックアップを制御できるようにコマンドラインプログラムを用意した。また、災害時に仮想マシンからバックアップイメージを直接起動できるようにした。

 中小規模の企業情報システムに向いた多機能型のイメージバックアップソフトである(関連記事:バックアップのArcserveがアプライアンス製品を販売、バックアップ台数に制約なし)。OSを含めたシステムイメージを丸ごとバックアップする。ソフトウエアは、バックアップ対象機(Windows、Linux)に導入するエージェント、スケジュールを管理する管理コンソール、バックアップイメージを格納する復旧ポイントサーバーで構成。仮想環境(VMware vSphere、Hyper-V)については、個々の仮想マシンをエージェントレスでバックアップできる。

 新版での強化点の一つは、ジョブ管理ソフトや運用管理スクリプトから条件に合わせてバックアップ処理を実行するためのコマンドラインプログラムを提供したこと。コマンドはWindowsのPowerShell環境で利用できる。コマンドが管理コンソールを遠隔で制御する形になる。従来は、あらかじめ定義しておいたスケジュールに合わせてバックアップを実行するか、手動でバックアップを実行するしかなかった。なお、別途契約を交わすことでWeb APIによる遠隔制御も可能としている。

 強化点の二つめは、災害時などに仮想マシンからイメージファイルを直接起動できるようにしたこと()。バックアップ済みのイメージファイルさえあれば、あらかじめ予備のサーバー環境を構築しておくことなく、復旧対象のサーバー(イメージファイル)と復旧先の仮想環境を設定するだけで、仮想マシンを使ってサーバーを復旧する。仮想/物理やWindows/Linuxを問わず復旧できる。

 新版ではさらに、Linuxサーバー向けの機能を強化し、Windowsや仮想マシンの場合と同様にバックアップイメージを復旧ポイントサーバーに格納できるようにした。これにより、データの重複排除や増分バックアップ、バックアップデータのレプリケーションといった機能群をLinuxサーバーでも利用できるようになった。