日立情報通信エンジニアリングは2016年2月2日、公共施設や商業施設における人の流れ(人流)をビッグデータとして捉えて分析・活用するソフト「人流計測ソフトウェア」の提供を開始した。人の動線や滞留状況、人数などを解析してレポートを作成する。センサーには、プライバシーに配慮しつつ高精度で人の位置を計測できるレーザーレーダー方式を採用した。センサーと制御PC、人流計測ソフトをセットにして販売する。

 センサーに採用したレーザーレーダーは、自ら赤外光を発光し、物体から反射した受光によって物体との距離を測定する。人の位置を30センチメートル以下の精度で検知できるという。さらに、同社の人認識アルゴリズムを組み合わせることによって、高精度かつリアルタイムに人の位置を解析できるとしている。

 従来同社は、同様のシステムを「人流計測サービス」としてサービス商材の形で提供してきた。今回これをソフトパッケージ化した。センサー、制御PC、ソフトウエアライセンスを基本構成とし、センサーの台数に応じて(1)「ライト」、(2)「バリュー」、(3)「カスタム」、の三つのパッケージをそろえた。

 (1)ライトパッケージは年額80万円で、レーザーセンサーは1台。店舗入り口やエスカレーター周辺、広告サイネージなど、滞留が少なく方向性のある人流計測に向く。推奨測定範囲は約24メートル×12メートルで、人流計測の対象人数は80人程度まで。

 (2)バリューパッケージは年額240万円で、レーザーセンサーは6台まで接続可能。エリア/フロアー内など人通りが多い環境での行動軌跡や、駅改札やレジ前などの滞留など、人通りの多い環境に向く。推奨測定範囲は約45メートル×30メートルで、人流計測の対象人数は500人程度まで。

 (3)カスタムパッケージは個別見積もりで、レーザーセンサーは30台まで接続可能。大規模商業施設全体の人流計測など広範囲の測定に適する。推奨測定範囲は実績値で約5000平方メートルまでで、人流計測の対象人数は2000人程度まで。

 ソフトパッケージとは別に、環境構築、運用、計測作業の支援ツール、マニュアル、教育などの周辺サービスも提供する。センサーを設置する現地の調査、システム構成設計、センサー配置シミュレーション、オンサイト構築などのシステム構築サービスや、レポート作成サービスなどもメニュー化している。