米Microsoftは現地時間2016年2月1日、海中データセンターの研究開発プロジェクト「Project Natick」(開発コード名)を進めていることを明らかにした。昨年3カ月以上にわたってプロトタイプのテストを実施した。

 同プロジェクトは、同社研究部門Microsoft Researchのチームが手がけている。昨年8月に、サーバーラックを収めた直径7フィート(約2m)で長さ10フィート(約3m)の円柱型コンテナーを、米カリフォルニア州沖の水中に設置した。Redmondの本社から遠隔監視し、月に1度、ダイバーが潜ってコンテナーをチェックした。現在、コンテナーは引き上げられ、結果の分析を行っている。

 米メディアの報道(New York Times)によると、プロトタイプのコンテナーはXbox向けゲーム「Halo」のキャラクターにちなんで「Leona Philpot」と名付けられ、水深30フィート(約9m)の場所に105日間設置されていた。

 Microsoftは、将来的に波や潮流を利用した流動力学的エネルギーの採用を考えている。また、海水で冷却できるため温度管理費用を抑えられること、人々が活動している地域の近くに設置できるためデータ伝送のレイテンシーを削減できること、データセンターの構築時間を短縮できることなどをメリットとして挙げている。プロトタイプのコンテナーは90日間で構築したという。

 Project Natickでは次の段階のテストを計画しており、4倍の大きさのコンテナーを実験できる場所を検討しているという。実験期間は1年以上で、波や潮流による電力を使用する。前述のメディアによれば、実施場所は、米フロリダ州か北欧の沖合になる可能性があるという。

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