米Strategy Analyticsが現地時間2016年1月28日までにまとめた中国のスマートフォン市場に関するリポートによると、2015年の同国における出荷台数は前年比3%増の4億3780万台となり、過去最高を更新した。一方で同年第4四半期(10~12月)の出荷台数は1億1790万台となり、前年同期から4%減少した。Strategy Analyticsによると、中国のスマートフォン市場は飽和状態に近づきつつある。また景気減速の影響もあり、同国のスマートフォン市場は成長が鈍化しているという。

 2015年第4四半期のメーカー別出荷台数を見ると、中国Huawei Technologies(華為技術)が1790万台で首位となった。これに中国Xiaomi(小米科技)が1750万台で次ぎ、このあと米Appleの1550万台、中国VIVO(維沃移動通信)の1180万台、中国Oppo Mobile Telecommunications(広東欧珀移動通信)の1080万台と続いた。

 このうち、Huaweiの2015年第4四半期における出荷台数は前年同期比で50%増加した。Huaweiは流通チャネルの拡大や「Honor 7」などの人気Androidモデルが奏功したという。ただしその前年同期比伸び率は前の四半期の73%から低下しており、成長減速の兆候が見られると、Strategy Analyticsは指摘している。

 Xiaomiは1年前に首位だったが、同四半期はHuaweiに抜かれ、2位に後退した。一方で同社は昨年1年間に6750万台のスマートフォンを出荷しており、年間出荷台数では首位を維持した。Xiaomiの第4四半期における出荷台数の前年同期比伸び率は11.5%、年間出荷台数は前年比16.8%だった。

 Appleの第4四半期における出荷台数の伸び率は同15.7%。Appleは1年前に中国の出荷台数ランキングで2位だったが、同四半期は3位に後退した。ただし1550万台という四半期出荷台数は、これまでの最高記録。同社のシェアも前年同期の13.4%から15.5%に拡大している。Appleは中国市場で販路を拡大したほか、「Apple Music」などの新サービスでiOSのエコシステムを一新したと、Strategy Analyticsは分析している(関連記事:Apple、中国で「Apple Music」「iTunesムービー」「iBooks」を開始)。

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