米IBMは現地時間2016年1月29日、米Weather Companyの資産買収の手続きを完了したと発表した。Weather Companyで会長兼最高経営責任者(CEO)を務めていたDavid Kenny氏は、IBMの「Watson」プラットフォーム事業の責任者となる。

 IBMは昨年10月に、Weather Companyの資産を買収する計画を発表していた(関連記事:IBM、「weather.com」を運営するWeather Companyの資産を買収へ)。IBMはWeather CompanyのB2B事業、モバイルおよびクラウドベースのWeb資産、「weather.com」や「Weather Underground」サービス、およびWeather Companyブランドと法人向け事業WSIを取得する。ケーブルTVの「Weather Channel」事業は含まない。

 IBMは、Weather Companyから得た技術および大容量データプラットフォームと自社のクラウド能力やWatson技術と組み合わせ、IoT向けクラウドプラットフォーム「Watson IoT Cloud」の基盤とする。企業はリアルタイムの気象情報をビジネスあるいはセンサーのデータと結びつけることで、深い洞察を得られるようになるとしている。

 また、消費者向けのサービス展開として、weather.comを日本、中国、インド、ブラジル、メキシコの5カ国でも提供する。各国メディアとのパートナーシップに加え、IBMのデータセンターの能力も活用して、それぞれの国により特化したコンテンツの提供を図る。

 IBMは資産買収の金額を明らかにしていないが、当初は20億ドルと報じられた。しかし米TechCrunchがIBM関係者から得た情報によると、この数字は正しくないという。なお、米ベンチャーキャピタルのBlackstone Groupや米NBCUniversalなどで構成されるコンソーシアムが2008年にWeather Companyを買収した際の金額は約35億ドルだった。

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