米Googleが米ニューメキシコ州の商用宇宙港「Spaceport America」で小型無人飛行機(ドローン)を利用した高速インターネット接続環境の構築についてテストを行っていると、英The Guardianが現地時間2016年1月29日に報じた。

 The Guardianが入手したドキュメントによると、Googleは「SkyBender」と名付けた開発プロジェクトを進めており、第五世代(5G)通信システムの要の技術とされるミリ波をテストしている。

 ミリ波は、理論上は毎秒数Gビットの伝送が可能で、現在の第4世代(4G)LTE通信の40倍速い。ただし到達距離は短く、4G携帯電話信号の10分に1程度しかない。Googleは高度上空のドローンから信号を伝送する手法に焦点を当てた実験を行っているという。

 SkyBenderのテストでは、Googleが2014年に買収したTitan Aerospace(関連記事)の太陽光駆動型ドローン「Solara 50」と、「Centaur」と呼ぶ無人/有人切替可能な飛行機(OPA:optionally piloted aircraft)を使用する。Googleは、米連邦通信委員会(FCC)から7月までテストする許可を得ている(米Engadgetの情報)。

 Googleは最終的に、数千機のドローンを自動飛行させ、地上に高速インターネット接続を提供したい考えだという。

 Googleでは2013年より、気球を使った高速接続プロジェクト「Project Loon」(関連記事)を進めており、SkyBenderはLoonと同じGoogle Accessチームが手がけている。

 なお、国際電気通信連合 (ITU)は2020年までに5G技術仕様の標準化を目指しており、2018年には仕様提案がリリースされる見通し(米Forbes)。