写真1●アプレッソの小野和俊社長(左)とデータビークルの油野達也CEO(最高経営責任者)
写真1●アプレッソの小野和俊社長(左)とデータビークルの油野達也CEO(最高経営責任者)

 データ分析ソフトを開発・販売するデータビークルは2016年1月29日、データ連携サービス「Data Ferry」を発表した。クリックや自然言語の入力で、企業内外のデータを収集し、結合して分析用のデータセットを作成できることが特徴。クラウドサービスとして、2016年5月9日から提供する。

 「データ分析用途に限った機能を提供し、操作を簡単にしたことで、ITに詳しくないデータ分析の担当者自身が、ほしいデータをリアルタイムに入手できるようになる」とデータビークルCEO(最高経営責任者)の油野達也氏(写真1、右)は話す。一般的に「データを分析したいときには、データの収集や結合をシステム部門に依頼する。多くの業務を抱えたシステム部門がすぐにデータを用意することは難しく、分析したい部門が新しいデータを利用することは難しかった」(油野CEO)という。

 Data Ferryはサービス内にデータベースを持ち、ここに社内のリレーショナルデータベース(RDB)やファイルサーバーに格納しているデータ、社外のオープンデータなどを収集する。データの結合時には、複数のデータソースに存在する類似した項目を自動的にまとめる機能を備える。データのクレンジング時には外れ値を検出した結果をグラフで表示したりすることで、データセットの作成を支援する。

 Data FerryはアプレッソのEAI(データ連携)ソフト「DataSpider」をベースに開発した。アプレッソの小野和俊社長(写真1、左)は、「15年以上、データ連携に特化してきた当社の経験を生かして、全力で支援していく」と話す。データビークルはData Ferryの世界展開を視野に入れていることから、「アプレッソの親会社のセゾン情報システムも含めて、世界的に支援体制があることもアプレッソの製品を選んだ理由になった」(データビークルの油野CEO)。

 Data Ferryの料金は月額40万円から(1ユーザーID、初期データ容量が1Tバイトまでの場合)。オプションでVPN接続やデータ容量の増加といったサービスも提供する。販売目標は初年度20本を目指す。

 データビークルは2014年11月に設立。「統計学が最強の学問である」(ダイヤモンド社)の著者で統計家の西内啓氏が取締役を務める。2015年7月に提供を始めたデータ分析のクラウドサービス「DataDiver」は、「現時点で8社が利用している」(油野CEO)という。