東芝とパナソニックは2016年1月28日、ノートパソコンに発火・発煙の恐れがあるとして、バッテリーパックの無償交換・回収を始めるとそれぞれ発表した。

 東芝は2011年6月~2015年3月に製造された、「dynabook」「dynabook Qosmio」「dynabook Satellite」などのブランド名で販売されたノートパソコンのバッテリーパックで、全世界で25万5806台が対象。うち日本国内では150機種に搭載された、9万5811個が対象となっている。

 パナソニックは2011年7月~2012年4月に製造された「レッツノート」のバッテリーパックで、国内では1万7613個、北米・中国では計1192個が対象となっている。

 原因はいずれも、バッテリーパックの中にあるパナソニック製バッテリーセルへの異物混入。「負極材の加工工程で発生したトラブルからの復旧作業時に、微細な導電性異物が負極材に付着」(パナソニックの発表資料)したまま出荷されていた。充放電を数年間繰り返すうちに正極と負極の間の絶縁性が失われ、バッテリーセル内部で短絡(ショート)が発生。異常過熱し発火・発煙に至ったとしている。

 この不具合により、東芝では2014年9月から2015年10月にかけて、国内外で10件の発火・発煙事故が発生し、うち7件はやけどやパソコン本体・周囲の焼損といった被害が発生している。パナソニックでも2015年11月に京都府内で1件の焼損事故が発生している。これを受けて製造履歴の確認や再現実験を実施し、上述の異物混入が発覚したという。

 それぞれのWebサイトで、ユーザーが所有するパソコンやバッテリーパックが対象品か否かを確認できる。電話での問い合わせ先は、東芝が0120-444-842、パナソニックが0120-870-163。

発表資料(東芝)

発表資料(パナソニック)