写真●日本IBM 専務執行役員グローバル・ビジネス・サービス事業本部長のキャメロン・アート氏
写真●日本IBM 専務執行役員グローバル・ビジネス・サービス事業本部長のキャメロン・アート氏

 日本IBMは2016年1月27日、世界の818人のCEO(最高経営責任者)に対するインタビュー結果などをまとめた「IBMグローバル経営層スタディ CEOの視点:破壊者との競争と共創」を発表した。結果について、日本IBM 専務執行役員グローバル・ビジネス・サービス事業本部長のキャメロン・アート氏(写真)は、「調査結果を掘り下げていくと、ほかの企業と異なる振る舞いをして財務的に成功している企業が4%あることが分かった。これらの企業がイノベーションを起こし、未来を作っている」と説明する。

 4%の成功している企業をIBMは「さきがけ企業」と命名。そのほかの「マーケットフォロワー」の企業と比較して、さきがけ企業のCEOは「自らがイノベーションを起こすことを目指し、新しい収益モデルの構築や、新市場への一番乗りを狙っているといった特徴がある」(日本IBMグローバル・ビジネス・サービス事業本部の池田和明執行役員)という。

 「破壊的イノベーションの実現」を狙う企業は、さきがけ企業の58%に対してマーケットフォロワー企業では44%だった。このほか「新たな収益モデル」を重視するCEOは、さきがけ企業の83%に対して、マーケットフォロワー企業では59%。「市場への一番乗り」を狙う企業はさきがけ企業が80%に対して、マーケットフォロワー企業が47%だった。

 特にさきがけ企業のCEOは、「モバイルなどのテクノロジーを活用して、新たな顧客層を掘り起こすことで、新しい収益モデルや市場を開拓しようとしている」と池田執行役員は説明する。

 今回、日本IBMが発表したCEO調査の結果は、2015年11月に公表した経営層全体を対象にした調査レポート「IBMグローバル経営層スタディ全体レポート:境界線の再定義」のうち、CEOに対する調査結果をより詳細に分析したもの。調査対象となった全世界で818人のCEOのうち、日本のCEOは127人だった。