米Appleが現地時間2016年1月26日に発表した2016会計年度第1四半期(2015年10~12月)の決算は、売上高と純利益とも過去最高を記録した。しかし主力の「iPhone」の出荷が微増にとどまり、アナリストらが予測した売上高に届かなかった。

 第1四半期の売上高は758億7200万ドルで前年同期比2%成長した。為替の影響を除いた場合は同8%増となるとして、ドル高の影響を強調した。純利益は183億6100万ドルで同2%増加。希薄化後の1株当たり純利益は3.28ドルとなり同7%増加した。粗利益率は40.1%で、前年同期の39.9%から拡大した。

 アナリストの予測平均は売上高が765億ドル、1株当たり純利益が3.23ドルだった(米USA TODAYの報道)。

 地域別の売上高を見ると、米大陸は前年同期比4%減の293億2500万ドル。欧州は179億3200万ドルで同4%増加した。中国は183億7300万ドルで同14%増加。日本は同12%減の47億9400万ドル。他のアジア太平洋地域は同4%増の54億4800万ドルだった。米国外からの売上高が総売上高に占める割合は66%となる。

 製品出荷台数を見ると、iPhoneは7478万台で前年同期と比べ1%未満の微増にとどまった。タブレット端末「iPad」は同25%減の1612万台。「Mac」パソコンは同4%減の531万台だった。

 iPhoneの1%に満たない伸び率は、同製品が登場した2007年以来、最悪の数値という(米New York Timesの報道)。アナリストらは、iPhoneの出荷台数を7500万台、iPadを1730万台、Macを580万台と予測していた。米Bloombergは「Appleには様々な製品があり、今後も新たな製品が登場するだろうが、iPhone減速の穴は埋めるには大きすぎる」とのアナリストの言葉を紹介している。AppleのLuca Maestri最高財務責任者(CFO)は「香港を中心に、中国市場の軟化を感じ始めている」と述べたという。

 第1四半期におけるiPhoneの売上高は516億3500万ドルで前年同期比1%増加。iPadは同21%減の70億8400万ドル、Macは同3%減の67億4600万ドルだった。「iTunes Store」「App Store」「Apple Music」「Apple Pay」などを含むサービス事業の売上高は60億5600万ドルで同26%増加。「Apple Watch」や「Apple TV」「iPod」を含むその他事業は43億5100万ドルと、同62%急増した。

 Tim Cook最高経営責任者(CEO)は、過去90日間に同社サービスを利用したアクティブなApple端末(iPhone、iPad、Mac、iPod touch、AppleTV、Apple Watch)が10億台に達したことを明らかにし、「1つの大きなマイルストーンを達成した」と述べた。

 Appleはまた、2016会計年度第2四半期(2016年1~3月)の見通しについても発表。売上高を500億~530億ドルの範囲、粗利益率を39~39.5%の範囲と予測した。

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