写真●リクルートテクノロジーズが独自開発した「オートメーションキー」
写真●リクルートテクノロジーズが独自開発した「オートメーションキー」
(出所:リクルートテクノロジーズ)
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 リクルートテクノロジーズと賃貸住宅建設・管理大手の大東建託は2016年1月26日、スマートフォンを使って解錠・施錠できる「スマートキー」を活用した賃貸住宅内覧の実証実験を開始したと発表した。大東建託グループが管理する集合住宅1棟の空室の玄関ドアに、リクルートテクノロジーズが独自開発した「オートメーションキー」を設置し、内覧時に利用する取り組みを始めた(写真)。

 不動産仲介会社が部屋を探す顧客に空室を案内したり、立ち会いなしで顧客自身が部屋に向かう場合に、鍵を借りることなく、手持ちのスマートフォンとアプリで解錠・施錠ができる。

 一般にスマートキー製品では、解錠・施錠操作に無線通信規格Bluetoothを使うケースが多い。Bluetooth規格の最大接続台数は7台で、これに準じて、1つのドア(錠)に対して作れる鍵の上限が7つに設定されることがある。家庭や小規模事務所の用途には十分だが、内覧用の賃貸住宅などに不特定多数の人が出入りする場合には、スマートフォンの受け渡しが必要になるなどの不便が生じる。

 リクルートテクノロジーズは、不動産業向けに売り込むをことを前提に、鍵の上限を無制限にすることを目指してオートメーションキーを開発した。解錠・施錠操作にはやはりBluetooth(BLE)を使うが、鍵の情報をクラウド上のサーバーで管理する仕組みが特徴。ドア(錠)のIDと、スマートフォンアプリに配信する鍵のIDの間の関連付けを集中管理することで、上限をなくした。

 リクルートテクノロジーズは、オートメーションキーは不動産業向けに加えて、不特定多数の人が出入りするシェアハウスや、個人が有料で空き部屋を旅行者に貸し出す「民泊」(関連記事:政府が「民泊」ルール作り、規制強化も焦点に)などの用途でも有用だと見ている。今後、セキュリティ面などの実証を重ねたうえで普及を目指す方針だ。