写真●日本航空の渋谷氏
写真●日本航空の渋谷氏
(撮影:井上 裕康)
[画像のクリックで拡大表示]

 日本航空 Web販売部 1to1マーケティンググループの渋谷直正アシスタントマネジャーは 2016年1月25日、東京・目黒のウエスティンホテル東京で開催した「イノベーターズ会議」(日経BP社 日経ITイノベーターズ主催)で講演した。講演の題目は、「IT部門と“想い”を共有してよりよい分析環境を構築しよう」。

 渋谷氏は、米国で開かれたシンポジウムで、ある保険会社のIT部門とユーザー部門の担当者が協力してプレゼンテーションした事例を紹介した。「IT部門とユーザー部門が密に連携できていることを象徴するようなプレゼンだ」(渋谷氏、写真)。

 このプレゼンテーションでは、それぞれの担当者が担当分野について交互に解説を進めた。ユーザー部門はまず事業内容や課題について紹介し、その課題解決のためのITソリューションについてIT部門が解説する。その後、ユーザー部門はITソリューションの効果を紹介する、といった具合だ。

 密に連携できていない場合のデメリットについても渋谷氏は言及した。例えば、マーケティング用途でシステム導入を想定するケース。「分析業務に対する理解が不足していると、事前に要件定義やシステム構成を厳密に策定することを求められる」(渋谷氏)。マーケティング用途のシステムでは、試行錯誤が必要なことが多く、初めから要件を完璧に決めることは難しいという。

 渋谷氏は、ユーザー部門とIT部門が密に連携するためには「日頃から積極的に交流するべきだ」とする。ユーザー部門は、必要なときだけIT部門に問い合わせるのではなく、抱えている課題や考えている事業の方向性について共有する。このほか、システムやツールを導入したら、効果や稼働状況、現場の評価についても、IT部門と共有する。渋谷氏は講演の最後に、「何か課題が発生した場合に『できない』と決めつけるのではなく、できるように協力するような関係を構築したい」と語った。