図●メンテりてぃくすの概要
図●メンテりてぃくすの概要
(出所:TIS)
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 TISは2016年1月25日、産業機械から稼働データを収集して解析し、予防保全などの業務改善に役立てられるようにするSIサービス「メンテりてぃくす」の提供を開始した()。導入効果の測定から実際のシステム構築、稼働後の運用(データ分析)までトータルで提供する。組立製造業や生産設備メーカー、化学製造業、特殊車両メーカーなどを中心に販売し、2020年までに約20億円の事業規模を目指す。

 産業機械の稼働状況を収集する手段として、グループ企業のクオリカが提供している遠隔監視・予防保全ソフト「CareQube」などを利用する。これらの手段で収集・蓄積した稼働データを、独SAPのBI(ビジネスインテリジェンス)ソフト「SAP BusinessObjects BIソリューション」とデータマイニングソフト「SAP Predictive Analytics」で分析・解析する。

 メンテりてぃくすの導入によって、産業機械などが故障する要因や、製造ラインで生産される製品の不良原因などを予測したり特定したりできるようになるという。これにより、生産設備の歩留まり率を向上させたり、メンテナンス工数を削減させたりといった業務改善が実現できる。

 システムの導入効果を測定するサービスから、稼働後のシステムを運用して産業機械の稼働データを解析するサービスまで、五つのサービスで構成する()。価格(税別)は、導入効果測定(PoC)サービスが個別見積もりで、期間は1カ月から。システム構築費用は、オンプレミス型の場合は2000万円から、SaaS型の場合は月額100万円から。

表●メンテりてぃくすのSIサービスメニュー
サービス名概要
導入効果測定(PoC)サービスユースケースの確認やヒアリングによって、課題を抽出し仮説を明確にする。実際のデータを用いて分析した結果を報告し、今後の進め方を提案する
データ取込クレンジングサービス分析したい粒度や目的に合わせて入植データをクレンジングする。分析に必要なレイアウトに整備することによって分析精度を向上させる
稼働実績可視化サービス実際にシステムを構築・導入するサービス。BIソフトで稼働状況を可視化できるようになる
要因分析サービスシステムの運用代行サービス。稼働データを分析テンプレートで解析し、故障や不良の原因を分析する。複数データの相関分析によって原因となる可能性の高い要素を自動的に導き出し、その結果を要因分析報告書として提供する
故障予測監視サービス要因分析サービスで導いた要因を基に設備の稼働状況をリアルタイムに監視してアラートを出す仕組みを構築する

 今後は、製造実行システム(MES)や統合基幹業務システム(ERP)といった既存の基幹系システムのデータと産業機械の稼働データを組み合わせて分析するシステムを提案していくという。これにより、「産業機械の稼働時間の最適化」や「人員配置の最適化」、「部品発注の自動化」などを実現するとしている。