「BuzzFeed Japan」のWebサイト
「BuzzFeed Japan」のWebサイト
(出所:BuzzFeed Japan)
[画像のクリックで拡大表示]
米BuzzFeedのベン・スミス編集長(左)とBuzzFeed Japanの古田大輔創刊編集長(右)
米BuzzFeedのベン・スミス編集長(左)とBuzzFeed Japanの古田大輔創刊編集長(右)
(出所:BuzzFeed Japan)
[画像のクリックで拡大表示]

 BuzzFeed Japanは2016年1月20日、サービス開始に関する記者会見を開いた。同社はSNSによるクチコミを重視した米国発のニュースサイト運営企業で、ヤフーと米BuzzFeedの共同出資で2015年8月に発足した。創刊編集長の古田大輔氏は「データとITを徹底活用して、読者にも記事を作る記者にもストレスのないメディアを作る」と意気込みを述べた。

 社名と同じメディアサイト「BuzzFeed Japan(バズフィードジャパン)」を、1月19日に開設した。BuzzFeedはFacebookやTwitter、Instagramといったソーシャルメディア上で話題になりやすいことを念頭に置いたニュースサイト。ネット上のクチコミで急速に情報を広げる「バイラルメディア」の先駆けとも言われる。

 掲載する記事の内容は「独自取材やソーシャルメディアを活用して制作した、ニュースからエンターテイメントまで多岐に渡る」(古田氏)。自社サイト上に記事を掲載するだけでなく、各SNSの表示形式に合わせて記事を配信。「読者にわざわざ当社のサイトへ来てもらうのではなく、読者がいまいる場所にコンテンツを届ける」(古田氏)。

 同社が強調するのが、データとITの活用だ。「ページビューやSNSでシェアされた回数はもちろん、どの段落まで読まれたかなどのデータを詳細に集めて分析し、より優れた記事を作っていく」(古田氏)。

 BuzzFeedの全世界の社員1300人中、記者は約500人。これに対してITエンジニアが200人に上る。「記者とエンジニアの距離はとても近い」と古田氏。記者からの改善や機能改良の要望を、絶えず求めているという。

 例えば8000文字にわたる長文の記事でもページを切り替えることなくスムーズに読ませるユーザーインタフェースや、サイト上での簡易なクイズ機能などを実装している。

 「メディア企業にとって、テクノロジーは極めて重要。他社との差異化要因であるだけでなく、読者の満足度に直結するからだ」。米国BuzzFeedの編集長であるベン・スミス氏は、こう強調する。メディア×ITというメディアテック企業であるBuzzFeedは、伝統的な産業を変革する一例としても注目を集めそうだ。