米Amazon.comは現地時間2016年1月19日、商品の自動注文を可能にするサービス「Dash Replenishment Service(DRS)」を開始すると発表した。ブラザー工業の対応プリンターで直ちにインクなどの注文に利用できるほか、米General Electric(GE)の洗濯機と韓国Philosysの血糖自己測定器でも1月末までに利用できるようになるとしている。

 DRSは、同社の日用品注文用機器「Dash Button」(関連記事:Amazon.com、日用品をボタン1つで注文できる小型機器「Dash Button」)と同様の商品再注文サービスを提供する仕組み。Dash Buttonでは本体前面のボタンを押すことで日用品の注文が行えるが、DRSに対応した機器は、消耗品の残量や使用期限を感知するセンサーなどを組み込み、Amazonへの注文を自動で行う。

 Amazonの発表資料によると、ブラザー工業製のプリンターや複合機は既に45以上のモデルがDRSに対応している。これらのモデルをすでに購入した顧客は、ブラザー工業のWebサイトでDRSへのサインアップを行い、機器を設定すれば、同サービスを利用できるようになる。これにより顧客は、残量が少なくなった際に自動でインクやトナーを注文できる。

 またGEの洗濯機は「SmartDispense」と呼ぶ機能があり、洗剤を洗濯量に応じて自動投入する。この機能とDRSが連動し、残量が少なくなった際に洗剤をAmazonに注文する。このほかPhilosysのGmateブランドの血糖自己測定器は、センサー試験紙とランセット針を自動注文するという。

 Amazonは2015年4月にDRSを発表していた。これまで同サービスのパートナー企業として、家電メーカーのWhirlpool、浄水器メーカーのBRITA、電子錠のAugust Home、ペット用食器のObeなどが加わり、各社がそれぞれ対応製品を発表していた。Amazonは、今回新たにPurellのハンドソープ/消毒用ジェルディスペンサーとWhirlpoolの食器洗い機もDRSに対応すると発表した(関連記事:消耗品を自動注文するAmazonのDRS、SamsungやGEなどのメーカーが参加)。

 また同社は、これまでプライベートベータとして限定公開していたDRSのAPIを一般公開したことも明らかにした。これにより大企業に限らず、趣味で機器を開発する人など、幅広い開発者が同APIにアクセスし、サービスを利用できる。これらの機器メーカーに代わりAmazonが、認証、受注処理、決済、カスタマーサービス、配送を行うため、バックエンドのシステムを構築する必要がないと、Amazonは説明している。

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