パキスタンで3年以上にわたって遮断されていた「YouTube」へのアクセスが復活する。英通信社(Reuters)や米メディア(PCWorldなど)の報道によると、パキスタン政府が現地時間2016年1月18日に遮断措置の解除を明らかにした。

 パキスタンでは、2012年9月に、米映画「Innocence of Muslims」がYouTubeにアップロードされた際に、YouTubeへのアクセスが禁止された。Innocence of Muslimsは、その内容がイスラム教に対する冒涜だとして、多数の暴力的抗議デモを引き起こすきっかけになった。

 それ以来パキスタンではYouTubeにアクセスできない状態が続いていたが、Googleが先週、パキスタン、スリランカ、ネパールに特化したYouTubeサービスを発表し、パキスタン政府はパキスタン版サービスを通じたYouTubeへのアクセスを承認したという。

 パキスタン版YouTubeでは、冒涜的など問題のあるコンテンツについて、パキスタン電気通信庁が直接Googleに遮断を要請できる。要請を受けたGoogleおよびYouTubeはパキスタンのユーザーによる当該コンテンツへのアクセスを制限する。

 YouTubeへのアクセスが復活したとは言え、人権団体や活動家からは、パキスタン版YouTubeが自由主義者の声や政府批判に対する検閲を助長する可能性があると懸念する意見も出ている。