写真1●カドカワのN高等学校と代々木ゼミナールがN高生向け大学進学コースを4月開校。左はSAPIX YOZEMI GROUPの共同代表である高宮敏郎氏、右はカドカワ代表取締役社長の川上量生氏
写真1●カドカワのN高等学校と代々木ゼミナールがN高生向け大学進学コースを4月開校。左はSAPIX YOZEMI GROUPの共同代表である高宮敏郎氏、右はカドカワ代表取締役社長の川上量生氏
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写真2●ネットの高校に通うことで受験勉強の時間を増やす
写真2●ネットの高校に通うことで受験勉強の時間を増やす
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写真3●ネットによる課外授業や有料の提携通学コースを設けて生徒の目的達成に応える
写真3●ネットによる課外授業や有料の提携通学コースを設けて生徒の目的達成に応える
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 カドカワと学校法人 高宮学園 代々木ゼミナールは2016年1月12日、カドカワが4月1日に開校を予定する学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校で大学進学を目指す生徒向けの提携通学コース「代ゼミNスクール」を4月に開校すると発表した(写真1)。

 カドカワ代表取締役社長の川上量生氏は、代ゼミNスクールの設立について、「N高校は生徒のあらゆるニーズに応えるための環境を用意する。その中には当然、大学受験も含まれている。通信制高校の特徴として浮いた時間を、大学受験のために全力で高校1年の時から費やせる」と述べる(写真2)。

 N高等学校は、全日制高等学校と同じ卒業資格を得られるネットを活用した単位制通信高等学校(関連記事)。高校卒業資格を得るための授業だけでなく、同社グループの持つコンテンツなどを活用したプログラミングやファッションなどの“課外授業”を充実させるなどの特徴がある(写真3)。2015年12月にはN高等学校の提携組織として東京大学への進学希望者に特化した「N塾」の開設を発表している(関連記事)。

 代々木ゼミナールなどを展開するSAPIX YOZEMI GROUPの共同代表である高宮敏郎氏は、N高等学校との提携について、主体的な学びをサポートすることを挙げつつ、そのほかに2点、キーワードがあると説明する。一つは教育の中でいかに情報技術を使っていくかということ。「ITに優れた企業と、これまでの教育機関がいっしょに、ハイブリッドになって、教育のサービスを提供していくことが大事」と述べ、多くのエンジニアが在籍するカドカワとの提携の意義を語る。もう一つ同氏が挙げたのが多様性だ。「いろいろな学びをしたいという生徒をサポートするために、今回の取り組みは最適な取り合わせではないか」と評価する。

 代ゼミNスクールは、N高等学校の在籍者もしくはN高等学校への転入希望者が対象で、生徒は東京・代々木の専用校舎で映像授業や対面授業を受ける。授業は2000以上の講座の中から、個々の生徒に合わせた独自の学習プランを組み立て、生徒の進度に合わせた授業を展開する。

 代ゼミNスクールの講座を受講するには、N高等学校の授業料とは別に費用がかかる。通学日数は週1日から週6日まで選べ、週1日の場合の年間の授業料は27万円、週6日では年間95万円となる。別途出願料が1万円、入学金が5万円かかる。受講に当たっては、入学後の学習プランの参考にするため、英語・国語・数学の学力試験を受ける必要がある。

 また今回の提携により、N高等学校のスクーリング会場がこれまで発表されていた全国3カ所から、全国12カ所に拡大することを発表。代々木ゼミナールの札幌校や新潟校、名古屋校、福岡校などがN高等学校のスクーリング会場に加わった。