仏Renaultと日産自動車による「ルノー・日産アライアンス」は2016年1月7日(米国時間)、両社が2016年に高速道路での自動運転が可能な自動車を発売するほか、2020年までに10車種を超える自動運転車を市場に投入する方針であることを明らかにした。

 ルノー・日産アライアンスの会長兼CEO(最高経営責任者)であるカルロス・ゴーン氏はかねてより、2020年までに自動運転車を実現すると公言していた。今回、その方針を改めて確認すると共に、2016年中に高速道路の1車線を継続的に自動走行する「single-lane control」機能を備えた自動車を発表することや、2018年に高速道路で車線を変更しながら障害物などを避けて走る「multiple-lane control」機能を備えた自動車を発売すること、さらに2020年には高速道路だけでなく都市部の一般道においても、ドライバーが介在せずに交差点などを通過できる「intersection autonomy」機能を備えた自動運転車を発売することを発表した。

 両社が発表したプレスリリースでは、両社は今後「ゼロエミッション(ゼロ排出)」だけでなく、「ゼロファタリティーズ(ゼロ死亡事故)」でもリーダーを目指すと述べている。両社は二酸化炭素などを放出しない電気自動車「LEAF」を全世界で30万台販売するなど、ゼロエミッションの取り組みでリーダー的な位置にあるとする。両社は自動運転車を投入することで、死亡事故の原因の90%を占めるドライバーによる運転エラーの減少が可能になり、「ゼロファタリティーズ」の取り組みでもリーダー的な位置を占められるとした。

写真●ルノー・日産アライアンスのOgi Redzicシニア・バイス・プレジデント
写真●ルノー・日産アライアンスのOgi Redzicシニア・バイス・プレジデント
[画像のクリックで拡大表示]

 また両社は同日、ルノー・日産アライアンスにおける「コネクテッドカー」の技術開発担当シニア・バイス・プレジデントとして、Ogi Redzic氏が就任したと発表した(写真)。Redzic氏は直近まで、フィンランドNokiaの地図事業「HERE」を率いていた人物。NokiaのHERE事業は2015年8月に、独Audi、独BMW、独Daimlerによる企業連合によって買収されている。Redzic氏はパリに拠点を置き、ルノーの研究開発所である「TechnoCentre」と、神奈川県厚木市にある「日産テクニカルセンター」におけるコネクテッドカーの開発を統括する。