写真●俳優と女優も登壇したNetflixの基調講演
写真●俳優と女優も登壇したNetflixの基調講演
[画像のクリックで拡大表示]

 2016年1月6日に米ラスベガスで開幕した「CES 2016」の基調講演で、同社の共同創業者兼CEO(最高経営責任者)のReed Hastings氏が世界中のほとんどの国で「Netflix」が使えるようになったことを発表した。 

 講演でHastings氏は、「Netflixがサービス提供している60カ国以外を訪れたとき思ったのは、“この国では、いつNetflixが見られるようになるのか”だった。今日をもって、アゼルバイジャンやベトナム、インド、ナイジェリア、ポーランド、ロシア、シンガポール、韓国、トルコ、インドネシアなど、新たに130カ国での利用を可能にする」と宣言。この発表と同時にサービスが開始された。

 これにより、Netflixが提供されていない国は中国と、米国政府の制裁措置で事業活動が禁止されているクリミア、北朝鮮、シリアになる。

 Hastings氏は「20年前にNetflixを始めたとき、インターネットを通じて数十億人の人にテレビ番組や映画を配信する日を夢見ていた」という。当初の事業はDVDを自宅に配送し送り返してもらうものだったが、2008年に配送コストとインターネットによる配信コストが逆転したと判断し、インターネット配信事業に切り替えた。

 Netflixは、配信事業だけでなく、コンテンツ作成にも力を入れている。2年前のCESで4Kコンテンツの配信を発表していたが、2013年には初のオリジナルコンテンツを作成した。Hastings氏は「現在、4Kコンテンツの作成を牽引している」とする。同社が作成した動画を合計すると、既に600時間にも達しているという。2016年後半には、HDR(high dynamic range imaging)にも対応する。

 今回の基調講演中には、米国、カナダ、ブラジルの俳優・女優を招いてトークショーを行い、近く公開予定の映画・テレビ番組「The Crown」「The Get Down」の予告編を披露するなど、既に有力なコンテンツ作成者であることを強調した(写真)。