図●FUJITSU Network Virtuora NC V03のソフトウエア構成イメージ
図●FUJITSU Network Virtuora NC V03のソフトウエア構成イメージ
(出所:富士通)
[画像のクリックで拡大表示]

 富士通は2016年1月7日、通信事業者の広域ネットワークに向いた運用管理ソフトの新版で、SDN(ソフトウエア・デファインド・ネットワーキング)技術を用いた「FUJITSU Network Virtuora NC V03」()を発表、同日販売を開始した。新版では、SDNコントローラーソフトをこれまでの富士通独自開発からオープンソースの「OpenDaylight」に切り替えた。国内での出荷時期は2016年6月で、北米では関連会社から1月7日に出荷した。価格(税別)は、システム規模やオプション機能などによって変わり、最小構成で2340万円から。

 Virtuora NCは、広域ネットワークを効率よく運用管理するためのソフト。各種の技術で構成された複数の仮想的なネットワークを一元的に集中管理できる。例えば、ソフトウエア制御によってネットワークを簡単に設計/設定できる。オペレーション面では、ネットワーク機器を抽象化して管理することによって操作を容易にしたほか、アラート発生時に最適な経路に動的に切り替えるといった運用の自動化を実現している。

 ソフトウエアは、大きく三つの階層で構成する。(1)SDNコントローラーの「オープンプラットフォーム」を中核に据える。(2)ネットワーク機器とのインタフェースが「サウスバウンドインターフェース」で、ネットワーク機器をXMLなどで抽象化している。(3)外部システムやアプリケーションとのインタフェースが「アプリケーションレイヤー」で、標準で「リソース検出」「経路計算」「動的回線活性化・自動回線復旧」の三つの富士通製アプリケーションを含んでいる。

 今回のV3は新版に当たる。新版では、SDNコントローラー部分を富士通製のものからOpenDaylightに入れ替えた。OpenDaylightが管理するデータや機能に対しては、REST APIや標準的なデータモデルを介してあらゆるアプリケーションからアクセスできる。このため、OpenDaylightに対応したアプリケーションであれば、Virtuora NCに容易に組み込めるようになった。