2016年1月6日(現地時間)より、米ラスベガスでコンシューマー向け家電見本市「CES 2016」が開幕する(写真1)。
CES 2016の主催者は、全米家電協会(CEA)から改称した全米民生技術協会(Consumer Technology Association:CTA)。同協会の発表による前年度(CES 2015)の開催実績は世界153カ国からの4万8833人を含む17万6676人が来場し、展示面積は223万平方フィート、出展社数は3631社、報道関係者は6952人だった。
2015年に引き続き、「IoT」のほか、モバイルやロボット、自動車、PCなどの分野で多数の展示が期待される。
インテル、サムスン、Netflixなどが基調講演
1月6日より多数の基調講演が予定されている。毎年恒例となっている開幕前日の基調講演は、昨年の韓国サムスン電子に代わって米インテルが担当。CEO(最高経営責任者)のブライアン・クルザニッチ氏が登壇する。最新PCやIoT関連の最新事例の紹介が期待される。
同じく6日には米Netflix CEOのリード・ヘイスティングス氏が登壇。2016年に新たな地域への事業展開を進めるNetflixのグローバル戦略を講演する予定としている。
サムスン電子は7日の基調講演にプレジデント兼CMOのWP Hong博士が登壇する。2015年9月に開催された「IFA 2015」に続き、IoTへの取り組みの最新状況を披露する。テーマとしてはセキュリティやモバイル決済を始め、日常生活に関わる分野を取り上げるとしている。なお、会場周辺には「Samsung Pay」の大型広告が目立った(写真2)。
他にも独フォルクスワーゲンAG、米ゼネラルモーターズ、米IBM、米YouTubeがCES期間中に基調講演を予定している。
日本からはCerevo、トリニティが出展。KDDIベンチャーも
1月4日にはスタートアップ企業などが集まる前夜祭イベント「CES Unveiled」が開催される。PCメーカーとしては昨年に続きレノボが出展。CES 2016に合わせて現地3日に発表した「ThinkPad X1 Family」など、新製品の先行展示が期待される。
日本からは昨年に続き、Cerevoが出展する。未発表の2製品を含む新製品を披露することを特設サイトで予告している。ほかにも新たにトリニティが出展し、国内向けに発表したWindows 10 Mobile端末「NuAns NEO」などを出展する。
1月5日からは各社が多数の発表会を予定する。5日には韓国LG電子、パナソニック、中国ファーウェイ、中国TCL、米クアルコム、トヨタ自動車、韓国サムスン電子、中国ZTE、ソニーなどが、6日には米デルがそれぞれプレスイベントを開催する。
展示会場には、KDDIが資本提携したワイヤレス給電ベンチャーの米Ossia(オシア)もブースを出展する。Ossiaのワイヤレス給電技術「Cota」では、2.4GHz帯の電波を用いることで、家庭やオフィス内の複数のデバイスに最大10メートルの距離から同時に給電できるという。ブースでは実際にスマートフォンやIoTデバイスをワイヤレス給電するデモを披露する予定としている。
会場はセキュリティ強化
1月4日現在、CES 2016のメイン会場であるLas Vegas Convention and World Trade Center(LVCC)では会場設営が進んでいる。
世界各国でテロ対策などが強化される中、CES会場でもセキュリティを強化。スーツケースやキャスター付きバッグの会場内への持ち込みが禁止され、入場時には荷物検査や金属探知機によるスキャン、写真付きIDによる本人確認を新たに導入するとしている(写真3)。