韓国Samsung Electronicsは来年、スマートフォンの出荷台数を前年比で約12%減らす計画だと複数の米メディアがThe Korea Timesの記事を引用して、現地時間2015年12月24日までに伝えた。市場環境の変化に対応することがその目的で、同社は今後低・中価格帯のスマートフォンに注力するという。

 The Korea Timesによると、Samsungは2016年に4億2000万~4億3000万台のスマートフォンを出荷する見通し。年間出荷台数を一定の水準に保つことで、同社は世界市場におけるそのシェアを維持するという。

 先ごろ、米IDCが公表したリポートによると、今年の世界スマートフォン出荷台数は14億3000万台で、前年比伸び率は9.8%にとどまる見通し。IDCが統計を取り始めて以来、年間出荷台数の伸びが1桁になるのは初めてという。スマートフォン市場の成長はこれまで中国などの新興国市場の高い伸びに支えられてきた。しかし、同国市場はすでに成熟段階に達しており、今年の伸び率は1桁台の前半にとどまる見通し。一方で中東・アフリカ(MEA)地域は、ほぼ50%と高い伸び率で成長するとIDCは予測している。

 The Korea Timesによると、Samsungは今年7~9月期に1億500万台の携帯電話を出荷した。このうち8500万台がスマートフォン。同社製品は、中価格帯のGalaxy Aシリーズや低価格帯のGalaxy Jシリーズが伸びているという。

 またThe Korea Timesは先ごろ報じられた旗艦モデルの次期製品「Galaxy S7」についても伝えている。同紙によると、この新シリーズには前モデル同様に曲面ディスプレイを搭載する「Galaxy S7 edge」が用意される。前モデルは、S6 edgeが在庫不足に陥ったが、Samsung Displayにおける曲面ディスプレイの歩留まりが向上しており、Galaxy S7シリーズは堅調に伸びると関係者は見ているという(関連記事:Samsung、スマホの次期モデル「Galaxy S7」に“3D Touch”搭載か)。