米Appleは現地時間2015年12月18日、モバイル決済サービス「Apple Pay」の中国向け展開に関して中国China UnionPay(中国銀聯)と提携を結んだことを明らかにした。「iPhone」や「iPad」「Apple Watch」を使っているChina UnionPayカードの所有者が、Apple Payで支払いできるようにする。

 Appleインターネットソフトウエアおよびサービス部門担当上級バイスプレジデントのEddy Cue氏は「中国は当社にとって非常に重要な市場であり、China UnionPayとの提携と中国の主要銀行15行のサポートにより、ユーザーは近いうちに便利で安全な決済体験を得られるようになる」と述べた。

 中国でのApple Pay提供は、2016年の早い時期になる見通し。中国当局によるテストを経て、承認を得たのち開始する。

 Apple Payは、2014年10月に米国でサービスが始まり、2015年7月に英国にも拡大。米American Expressとの提携により、年内にカナダとオーストラリアで、2016年にスペイン、シンガポール、香港で利用可能にする計画を11月に発表している(関連記事:「Apple Pay」が米英以外にも拡大へ、American Expressとの提携で)。また、中国でのサービス提供に向けて、複数の国有銀行と提携したと、先月報じられていた(関連記事:Apple、中国で「Apple Pay」を来年2月までに開始か)。

 China UnionPayは中国国務院や人民銀行との結びつきが強く、中国決済業界を独占してきたが、中国は米Visaや米MasterCardなど外資にも市場を開放する動きを見せている。米Wall Street Journal(閲覧には有料登録が必要)によると、China UnionPayのShi Wenchao(時文朝)総裁は「我々は競争を恐れていない。競争は当社にとって、過去を打破し、サービスを向上させる好機になる」と述べているという。

[発表資料へ]