図●D-RAID ADVANCEのアーキテクチャー
図●D-RAID ADVANCEのアーキテクチャー
(出所:デジタルテクノロジー)
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 デジタルテクノロジー(DTC)は2015年12月18日、サーバー仮想化基盤と分散型で動作するストレージ仮想化ソフトを組み合わせてアプライアンス化した“ハイパーコンバージドインフラストラクチャー”の新製品「D-RAID ADVANCE」()の提供を開始した。アプライアンスの台数を増やすスケールアウトによって、収容可能な仮想サーバー台数やストレージ性能・容量を拡張できる。価格(税別)は、基本パッケージ(アプライアンス2台構成でストレージ容量3Tバイト)が500万円から。販売目標は、初年度100セット。

 D-RAID ADVANCEは、仮想サーバーを動作させるための仮想化基盤である。必要なミドルウエアをPCサーバーにインストールしたアプライアンス機器として提供する。特徴は、アプライアンスの台数を増やすことによって、仮想サーバーとストレージの容量や性能を拡張できること。このための要素技術として、分散型で動作する仮想ストレージソフト「SANsymphony-V10」(米データコア・ソフトウェア製)を利用する。サーバー仮想化ソフトには「VMware vSphere」(米ヴイエムウェア製)を使っている。

 仮想ストレージソフトのSANsymphony-V10は、サーバー内蔵ディスクや外部接続ストレージなど、PCサーバーからアクセスできる任意のディスク群をまとめてリソースプール化し、ここから仮想ボリュームを切り出して運用できるようにするソフトである(関連記事:データコアがストレージ仮想化ソフトに新版、システム構成を柔軟化)。D-RAID ADVANCEにおいては、それぞれのノード(SANsymphony-V10を動作させたPCサーバー)の内蔵ディスクを束ねて、ノードをまたいだリソースプールを形成する。

 ストレージ機能は、SANsymphony-V10に準じる。例えば、ボリューム容量を仮想化するシンプロビジョニング機能を備えており、データの増加に応じて動的に物理リソースをボリュームに割り当てる運用ができる。ストレージ階層化(ILM)機能を備えており、PCI接続型フラッシュストレージとハードディスクを階層型で利用するといった使い方が可能。サーバーが搭載しているメインメモリーをストレージキャッシュとして使う機能も持つ。データ保護機能としては、複数ノードを用いたHA(データ同期ミラーリングとフェールオーバー)や非同期の遠隔レプリケーションなどが可能。