Credit: Chris Urmson
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 米カリフォルニア州の車両管理局は現地時間2015年12月16日、同州における将来的な自動運転車の走行ではドライバーが乗車している必要があるとする法案(上院法案1298)を発表した。

 カリフォルニア州では、自動運転車開発プロジェクトに取り組む米Googleがすでに170万マイル(約274万km)を超えるテスト走行を実施している。Googleのプロトタイプ車では脱着式のハンドルやブレーキペダルを搭載し、万が一の事態に備えてドライバーが乗車ているが、最終的にはハンドルやペダルが不要な完全自動運転を目指している(関連記事:Googleが開発中の自動運転車両、過去6年間で11件の事故)。

 今回発表された法案では、自動運転車メーカーは安全性と性能面で一定の要件を満たしていることを証明し、第三者機関による検査に合格する必要がある。

 自動運転車にはライセンスを取得したドライバーが乗車し、技術的な不具合などの緊急時に操縦できるようにする。

 メーカーに与えられる認可の有効期間は3年間で、自動運転車の性能、安全性、使用状況について定期的に報告する義務がある。民間への販売は認められず、リース提供に限られる。

 また、安全走行を目的とした情報以外に情報収集を行う場合はドライバーに告知し、承認を得なければならない。さらに、サイバー攻撃を検知および対処するための自己診断機能を搭載する必要がある。

 カリフォルニア州車両管理局は、法案の主な目的について、「自動運転車の安全と、道路を共有する公衆の安全を確保すること」と述べている。法案の全文(PDF文書)はWeb上で公開されており、正式な法制化手続きに入る前に広く意見を募るとしている。2016年1月と2月に公聴会を開催する予定。

 同法案の発表を受け、Google自動運転車開発プロジェクトのChris Urmsonディレクターは12月17日、「非常に落胆した」とのコメントをブログプラットフォーム「Medium」に投稿した。「自動運転技術が最大の可能性を発揮するのを妨げ、運転できないが移動する必要がある人々を排除することになる」と批判した。一方で、同州車両管理局が今後数カ月にわたってフィードバックを求めているため、引き続き同州車両管理局と協力すると述べた。

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