NTTコミュニケーションズとSOINN(ソイン)は2015年12月17日、AI(人工知能)が家計の状況を分析して節約できそうなポイントをアドバイスする「節約アシスト機能」の開発を始めると発表した。NTTコムのオンライン家計簿サービス「Kakeibon(カケイボエヌ)」について、同日提供開始したアプリ版に同機能を追加し、2016年6月から利用可能にする予定。

 AIがユーザーのお金の使い方を分析し、自分の似た属性を持つユーザーの使い方と比較することで、節約できそうなポイントを提案する。また、具体的な節約のヒントも示す。さらに、AIの提案に対するユーザーの反応に基づいて、ユーザーごとの価値観も反映できるように発展させていく。

 比較対象とする「自分と似たユーザー」の支出モデルは、AIが抽出したグループ(似たような特徴を持つユーザーの集まり)のデータに基づいて自動生成する。また、ユーザーの支出傾向が季節や景気などによって変化する場合もオンライン学習で自動で適応する。自律的に学習することが特徴の汎用型AI「SOINN」により、これらの機能を可能にした。

 Kakeibonアプリ版は、一目で支出がわかる「家計簿カレンダー」、グラフで見やすい「資産管理機能」など、Kakeibonの機能をスマートフォンで利用できる。また、スマートフォンのカメラでレシートを撮影するだけで家計簿をつけられる「レシート取込機能」を備えた。対応OSはAndroid 4.1以降、iOS 8.0以降(iOS版は近日中に提供開始予定)。無料で利用できる。

 今後は、同機能で開発した仕組みを発展させて、家計管理をより簡単・便利にする汎用的なAIプラットフォームとしてNTTコムのクラウド上でAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を提供することを検討する。また、ヘルスケア分野などさまざまな分野への応用も視野に入れているという。

「Kakeibon」のWebサイト